野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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「いはゐづら」は、真夏の雑草
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う


━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

入間道(いりまじ)の 大家(おほや)が原の いはゐ蔓(づら)


   引かばぬるぬる  吾(わ)にな絶えそね(万葉集)


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暑い太陽を受けて育つ「いはゐづら」
現在の、「すべりひゆ」を指しています。


「いはゐづら」の名の起こりは
「いはゐ」は、祝いを指し、栄えを意味し、
「づら」は蔓草を意味しています。
繁茂力の強い草ということがわかります。


盛夏の道端や畑で、地に這うように育つ雑草です。
太い茎質共に、多肉質です。


太陽が照りつける真夏の日に
道端では、
黙々と多肉質の茎や葉を成長させています。
暑ければ暑いほど、大きく育ちます。
陽に向かって咲くすべりひゆ


昭和の初めころまでは、
若い葉などを茹でて食べていました。
多肉質の茎は、ぬめりがあり和え物などにしていました。


このぬめりから「すべりひゆ」と名の由来があります。
「ひゆ」は可愛らしいという事を指し
多肉質の葉の中で咲く、小さな花をさしています。


祖母の太平洋戦争の苦労話の中に
食料難の時、夏に育つ、さつまいもの蔓や
この「すべりひゆ」などを食べたと聞かされた事を思い出します。


今回は東歌です。
入間道の大家が原に(入間は埼玉県入間郡)
「いはゐづら」摘みにきた女たちの恋の不安を詠っています。


入間道の大家が原に繁茂する「いはゐづら」よ
私が「いはゐづら」を引くように
あなたの気を引いたら私になびいて、
私との縁を切らないようにして下さいねと…


都会ではなかなか見られなくなってしまったでしょうが
ちょっと郊外では、よく見られる「すべりひゆ」。


強い繁殖力で、暑さで他の草が生えなくなってしまった地面を
わがもの顔に伸びていく「すべりひゆ」。


食べられる雑草として、注目されるといいですね。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   夏出水  晴れ間に咲く すべりひゆ 



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| 盛夏 | 16:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
可愛い実をつけ始めた「しい(椎)」の木
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

片岡の  この向(むか)つ峰に  椎蒔かば

         今年の夏の  蔭に比(そ)へむか
(万葉集)

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緑の樹木は、真夏の日差しをやわらげてくれます。
この暑い時期、木陰があるとホッとします。

今回は、可愛い実をつけ始めた「しい(椎)」の木。
暖地に生える常緑の高木です。
神社の境内や、公園によく見られます。
農家の庭などには、大きく育った気が見られます。
常緑の椎の木
初夏のころ穂状の花穂を新枝の葉脈からだして
黄色の雄花がびっしりついて、香りを放ちます。
今の頃、花が咲いていた枝に実がつき始めています。

椎の木の木陰に入って
ちょっと見上げてみてください。
まだまだ青いつぶらな実がみられます。

ぶな科の常緑高木で
スダジイ・ナガジイ・ツブラジイ・マテバシイなどを
総称して「しい(椎)」と呼んでいます。

共に球形の堅果をつけます。
中の実の果肉は、きれいな白色です。
葉蔭に見える実
この白い色は、
“歯並びは 椎菱如(な)す”と
応神天皇の歌に出てくるように、
美しい白い歯や
歯並びの形容にも
古代から使われていました。

白色の果肉は、
食用にしていたようです。
枕草子にも
「にげなきもの」の段に
椎の実を摘んでいるとあります。

今回の歌は
ここに椎の木を蒔いても
一年では、夏の木陰を
作るほど成長しないことを
詠っています。



古来では、
椎の木を栽培していたのでしょうか。
実も食料となり、樹皮なども染料として使われていました。
生活に必要な木として植えられていたのです。

近くの里山の椎の木も
古来に栽培されていたかもしれません。


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   
   風吹けば 揺れる青い実 椎若葉 


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| 盛夏 | 16:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ハチスと呼ばれた蓮の根は貴重な食べ物
暑さの中、朝早く開花するハスの花
私の頭の中には、極楽浄土というイメージが刷り込まれているため
ハス畑を通るときの、ハスの葉が揺れる風が
別世界からくる風に思われてきます。
ハスの花
仏教は紀元前500年頃に
出てきます。
インドでは、
ハスの花を多産や
生命誕生の象徴とされ
仏教の教えに習い、
極楽浄土に
見立てられています。
仏教には、ハスの花は
なくてはならないものです。


このハスは、中国では仏教が伝わる前から
実用植物として栽培していたと記述が残っています。

万葉の頃はどうだったのでしょう。
日本に、仏教が538年に飛鳥の地に入ってきたとされています。
それでも、仏教とハスが結びつくのはまだまだずっと後のことです。
万葉集に詠まれた歌も、仏教を感じさせない写生的な歌です。
花弁が散るとハチス  
古代では、「ハチス」と
呼ばれています。
花びらの散った後が、
ハチの巣に似ていたことに由来しています。
ハスの花は、
3日間咲いて花びらが散り
4日目にはハチスになります。


万葉の頃のハチスは根から葉まで使われていて
ハチスの根、レンコンは貴重品だったことが
平安時代初期の儀式や作法の集大成の「延喜式」にも見られます。
そこには、正月の法会の供養料は、「ハスの根半節」となっています。
ハチスの根だけでなく、葉は料理を盛る皿に、若葉も刻み、種子も食べた。
生活になくてはならない有用植物でした。

花を愛でるようになるのは、江戸時代からのようです。

そして、千葉県検見川の2000年前の地層から出土されたハスの種。
弥生時代後期のハスの種は、2000年の眠りからさめて開花しました。
開花させた人の名前をとって「大賀ハス」と呼ばれています。
各地に種が出土され、開花している例は多々あります。
一般的に、「古代ハス」と言われています。

万葉集に出てくる、平城宮の門を護る役人の歌

雨の後の、ハチスの葉の真珠のような
水滴の輝きを久しぶりに見たいと詠っています。

━━━ 今日の短歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(ハチスハ)に
      たまれる水の  玉に似たる見む
 (万葉集)


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

暁に  蓮の葉ゆれて  露光る

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| 盛夏 | 15:30 | comments(0) | - | pookmark |
元気にまとわりつく 「屁屎蔓(ヘクソカズラ)」
梅雨が明けて、いよいよ夏到来です。
可憐な屁屎蔓
昼間は、
庭の草木は暑い太陽の下で
うなだれています。
草は、この暑さで、
ぐんぐん伸びる季節です。
夏は、草が敵に見えてきます。 
そんな草のなかで、
どんどん他の木に廻りついている草。
草取りの 
最初のターゲットになりそうな草。


「屎蔓(クソカズラ)」
これだけでも、名前のインパクトが強いのに
その上に、「屁(へ)」がつき
「屁屎蔓(ヘクソカズラ)」といわれています。

私は、この「屁屎蔓」という名前に出会ったのが、
草などに興味を持ったきっかけとなっています。
見た目と違って、匂いだけで嫌われている
いじめられっ子というような印象でした。

その名前は、なんてグロテスクな名前なんだろうと…
子供の頃の暑い夏には、あちらこちらで巻きついていました。
この小さな花をとって、遊んでもいました。
でも、名前なんて気にしませんでした。
きれいな花だという印象が、子供心に残ってました。

もう少し大きくなった時に、
この花の名前を聞いた時、吃驚するより落胆したものです。
早乙女蔓とも呼ばれている屁屎蔓
別名には
「早乙女蔓(サオトメカズラ)」
とも 言われています。
花の姿を、
早乙女がかぶる笠に
見立ています。
この名前ですと、
可憐な花という印象です。


決して、近づいて匂うという花ではありませんが
葉をもんだりすると、何とも言えない悪臭がたちこめます。
大人になって、草取りするようになって
この匂いというより、悪臭に納得したものです。

このクソカズラというのは、万葉集に出てきますから
万葉の頃から、花の可憐さよりも 悪臭のほうが印象強かったのでしょう。

今では、更にその上に
いつの頃からか「屁が付いてしまったのです。

万葉集に詠まれている歌は
からみつく屎蔓のように、ずっと宮仕えしましょうという
健康的な歌です。

━━━ 今日の短歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

かはらふぢに 延ひおぼとれる 屎蔓

       絶ゆることなく 宮仕(みやつかえ)せむ 
(高宮王)


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  屎蔓 早乙女蔓と 思いけり
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| 盛夏 | 16:44 | comments(1) | - | pookmark |
八重葎(ヤエムグラ)が茂る、荒れ果てた貧しい屋敷
源氏物語でも、
末摘花の邸は、使用人もいなくなり
庭にはヨモギが生い茂っていたとされています。

荒れ果てた屋敷の象徴として
ヨモギやヤエムグラが、詠われています。

万葉の頃の八重葎(ヤエムグラ)というのは
現在言われている
金葎(カナムグラ)だとされています。
カナムグラ
葎(ムグラ)というのは、
荒れ地に生える
雑草のことを指しています。

金葎(カナムグラ)は、
散歩の途中で、
よく見かけていると思います。
茎が金のように硬いということで
ついた名前です。
そして、茎と葉にトゲがあり
硬い茎に触ると、棘で、痛いです。


初夏の頃からぐんぐんと、草丈を伸ばし
真夏の暑い頃には、空地を覆ってしまいます。

硬い茎や、茎のトゲなどで
谷や空き地に入る人を、拒むように繁茂していきます。
ヤエムグラ
今、言われている
八重葎とは、
アカネ科のもの。
同じ、
葎の仲間ではあります。

春から初夏まで、
荒れ地に繁茂しています。
そして、
金葎が元気になる頃、
枯れていきます。



八重葎と金葎で
季節と季節をバトンタッチしているようです。


この万葉集の歌は
一対の相聞歌になっています。

(問)は、そんな八重葎が生えている鬱蒼とした中で
いとしい人が、家に訪ねてきてくれた驚き喜ぶ、女性の歌。

(答)は八重葎が生えているいとしい人を訪ねた男性の歌。

荒れ地に生える八重葎と
恋人同士の素朴な喜びが、対比されています。

千年もの間、荒れ地を覆う
金葎や八重葎。
葎は、雑草のなかでも
振り返られないというか
邪魔にされている存在です。

その生命力の強さで、長い間、
人の手が入らない荒れ地を
緑で覆うことによって、
下草や土を守ってきたかもしれません。


━━━ 今日の短歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(問)思ふ人 来むと知りせば 八重葎
     おほえる庭に 珠敷かましを
(万葉集)

(答)玉敷ける 家も何せむ 八重葎
     おほえる小屋も 妹とし居らば
(万葉集)


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

青々と 葎の茂みに 夏日影 
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| 盛夏 | 15:16 | comments(0) | - | pookmark |


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