野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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人の姿に似ている、柊
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う


━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   ひひらぎの 白き小花の 咲くときに


   いつとしもなき  冬は来むかふ (斎藤茂吉)


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なんだか秋の香りを思わせる花の香り。
細かな白い花が沢山咲いていました。

老木に咲く柊の花

太い木には、
つやつやと深みのある緑の葉。
小さな葉の間から白い小花が沢山ついています。
この季節、こんなに花の咲く木は何だろう。


よくよく見ると、
先の葉だけが、ちょっと尖っています。


小さな白い花の咲いているのは「ひいらぎ(柊)」でした。
木へんに、冬と書く「ひいらぎ(柊)」。


“きんもくせい”と同じモクセイ科です。
その為に、花の香りも似ていたのかもしれません。


そして、古木になると、
葉の周りにあった尖った部分が丸くなるとか。


こんなに沢山の花をつける「ひいらぎ(柊)」を
私は、初めて知りました。


「ひいらぎ(柊)」は“疼木”ともいわれ
“疼”は、ひひらぐで痛むの意味です。
葉のトゲに触ると、ひりひりと痛んだ所からきてるのでしょう。


その常緑の葉に鋭いとげを持つ「ひいらぎ(柊)」に
鬼は目が傷つくのを嫌がったとかで、
立春の向える豆まきの日に
鰯の頭と共に、
門や出入り口に飾る風習は今でも残っています。


若い木の葉は、鬼を退治する程の
鋭いトゲを持っています。

香りを放つ柊の花

老成すると
葉の鋭いトゲも見られなくなり丸くなる「ひいらぎ(柊)」


老いたら、人当たりも丸くなるのがいいですね。
なんだか、人の姿に似ているようです。


今回の歌は、
「ひいらぎ(柊)」の花が咲きだすと
冬がやって来ると詠っています。


晩秋から咲き始めて花が散ったあとは
寒い冬がやってきます。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   霜曇り 柊の花 はらはらと


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南天(なんてん)は縁起の良い植物
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  南天の 実のくれなゐに 色させば


  日ごとに霜は  深くなりたり (尾山篤二郎)



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寒さが本格的になってくると
木々についていた赤い実が、視界から無くなっていきます。


別に落ちているわけではなく
餌のなくなった鳥たちの餌になっているのでしょう。


ここ関東あたりでは、
最後までのこっているのが
ピラカンサの赤い実。
次が南天の赤い実です。


南天の実が無くなり、
ピラカンサの実までなくなると
春の近さを感じます。


今日は、まだ実が残っている“南天(なんてん)”

実が重そうに風に揺れる南天


“南天(なんてん)”は、どちらかというと
日かげに植えられています。
ですからあまり目立たない植物ですが、
赤い実をつけると存在感が出てきます。


「難を転じて福を招く」と言われて
古来から縁起の良い植物として祝い事に使われてきました。
そして、火事よけにと植えられてきました。


あまり大きくならない木ですが時には、高くなる木もあるようです。


この“南天(なんてん)”原産地は、日本と中国。
藤原定家の日記「明月記」に
中宮権大夫が植えたと書かれています。


足利義満も金閣寺の茶室に
“南天(なんてん)”の床柱を使ったとされています。


戦に出陣する武士は、“南天(なんてん)”の一枝を鎧の内に挿し
武運長久を祈ったとされています。


子どもの元服の式にも挿されて使われていました。
安産のお守りのもなっていたようです。


江戸時代になると
火災よけということから
屋敷内には必ず植えられるようになります。


江戸時代ではごくありふれた植物でした。
そのころ書かれた「花壇地錦抄」には
「朝夕の身近きものなれば、くはしくいふも くどし」と書かれています。


“南天(なんてん)”の葉は殺菌力があり
江戸時代では、食物の下に敷く掻敷に使っていました。
暑い頃には、重箱の中に掻敷として使い、
上からも葉をかけておくと、食べ物がいたまないと使われていました。


祝い事のお赤飯の上に添えているのが風習として
今でも残っていますが
祝い事の吉祥の意味も込められているでしょう。


“南天(なんてん)”の栽培が
江戸時代に入ってから盛んになります。
品種も増えてきます。
それは明治になっても続きます。
“南天(なんてん)”の品種は多い時には120種を数えました。


現在の品種は三分の一位になっています。


“南天(なんてん)”は、招福の木としてお正月にも飾られます。
一たび雪が積もるともっと存在感を増す赤い実です。


今日の歌は
南天の実が色づいてくると
寒さも増してきて、
朝の霜の情景も白さが増してくると詠われています。
厳しい寒さに向って南天の赤い実の彩りが
一層際立っている様子が伺えます。


ひとたび、雪が降って白い世界になったら、
南天の実の赤はもっと華やかさを演出しそうです。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
  からっ風に  たわみて立ちつ  実南天
 


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| | 16:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
シルクロードからきた水仙
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




  真中の 小さき黄色の さかずきに



  甘き香もれる  水仙の花 (木下 利玄)




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師走の声を聴くようになると
濃い緑の葉の間から
小さな白い水仙の蕾が大きくなります。
その香気を放ちながら蕾が咲きだすと、師走ももう半ばです。


日本的な「水仙(すいせん)」の花ですが
「万葉集」や「源氏物語」などには、その名前すらありません。
ようやく文献に登場するのは、室町時代です。


この水仙のふる里は、地中海沿岸です。
地中海沿岸には、水仙の原種が自生しているところがみられます。

この水仙は、ギリシャ神話の世界に登場します。


美少年ナルキッソスは
池の水面に映った自分の姿に恋い焦がれてしまいます。
呼びかけますが、答えてはくれない。
その姿を引き寄せようとして池に身を投じてしまいます。
するとそこに一輪の水仙の花が咲いたという神話の一説。
水仙の属名Narcissusはナルキッソスに由来しています。

陽あたりの良い斜面に咲く水仙

生まれ変わった水仙の花。
水仙はシルクロードを伝来していって中国へ


中国では、水中で姿を変えられるのは仙人です。
ナルキッソスに由来するような
“仙人の花”として「水仙」と言われます。


そして、日本の文献にはじめて出てくるのが
室町時代の“下学集”です。


漢名「水仙」、
和名を「雪中華」とあります。


1467年正月に
将軍、足利義政の大遊宴の際
東国から、水仙がが献上され
その美しさが鑑賞されたとあります。

室町時代の頃には、
水仙もあちらこちらで栽培されていたのかもしれません。


今では
淡路島の灘水仙郷は、平家の落人が植えたという伝承もあります。
福井の越前海岸の斜面を埋め尽くす「越前水仙」などが
故郷をに似た住処を見つけて
自生地のように咲き続けている群生地が海岸沿いに多く見られます。


凍てつく地面から、緑の葉が天に伸び
早春の息吹を醸し出すように咲く清楚な水仙の花です。
しかし、その花の中に冷めた美しさも感じられます。


淡路島の灘水仙郷は
紀淡海峡を見下ろす斜面に水仙の群落があります。


海を見下ろして咲く水仙に
地元の人たちは
黄色い副花冠が盃に似ているので
「ちょこスイセン」と呼んでいるそうです。


今回の歌も
清楚に咲く水仙の黄色い副花冠を盃に見立て
香気を放つ水仙の花を詠っています。


新年を迎える花として
床の間などに飾る家も多いと思います。
気品ある花の香りは、新しい年の息吹を感じさせます。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   
  水仙花  花の香りも  風に揺れ
 



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| | 15:34 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
大馬鹿の“柚(ゆず)”
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 藪ぎはに 柚の木ありて たわわなる


  黄なるその実の  夕照りにけり(尾山篤二郎)



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年の瀬になると
店先に黄色の“柚(ゆず)”が並びます。


冷え込んだ夜は、
湯気の立つ、鍋料理が恋しくなります。


鍋料理の薬味には“柚(ゆず)”は欠かせません。


農家に行けば必ず“柚(ゆず)”の木があります。
一般家庭でも、庭木として植えられています。


木の成長に言われるのが
桃・栗 三年
柿 八年
梅はすいすい 十三年
“柚(ゆず)”の大馬鹿十八年というと
何処かの本に出ていましたが、


我が家の近くの老人は、
“柚(ゆず)”の大馬鹿三十年と言ってました。
そんなに実がなるのが遅い、“柚(ゆず)”です。

たわわに実る柚

この“柚(ゆず)”の原産地は、中国。
中国の揚子江上流の四川とも雲南とも言われています。


日本の渡来は平安時代のようです。


ミカンのように食用にはなりませんが
香気ある調味料としていろいろ使われています。


そして、冬至の日にはお風呂に入れる習慣があります。
冬至は一年で最も日が短い日。
太陽の力が一番弱いとされていました。


中国では、太陽は黄道を動くと考えられていました。
一番弱った日に、黄色い“柚(ゆず)”から
太陽の力をもらおうと思ったのかもしれません。


冬が旬の“柚(ゆず)”は香りも強く、
強い香りのもとには魔よけということもあったのでしょう。



今の季節、
散歩をしていると
庭先に黄色い柚が、たわわに実っています。


今日の歌も“柚(ゆず)”がたわわに実っている情景を詠っています。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
  霜の朝 朝日に映える 黄なる柚
 


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「臣(おみ)の木」はもみの木、クリスマスツリー
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 …み湯の上の 樹群(こむら)を見れば 臣(おみ)の木も


  生(お)ひ継ぎにけり 鳴く鳥の 声も変らず… (万葉集)



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「臣(おみ)の木」は、今では転化して「もみの木」です。


まつ科の植物で常緑の大高木になります。

風に揺れる樅

古名は“もむのき”と言われていたことから
葉の擦れ合う“モム”からきているのかもしれません。


起源は、平安時代以前とされる諏訪大社での6年毎の「御柱祭」。
江戸時代以降は、宝殿の造営と御柱の曳き建てが行われています。
その御柱として立てるのは“赤松”と“樅”です。。   


古代から山間地の大木の「もみの木」ですが
今では、クリスマスツリーの木として使われています。


今回の歌は、
“山部赤人の伊予の温泉に至りて作れる歌”とある長歌の一部です。


伊予の温泉は
今の松山道後温泉です。


道後温泉は、日本書紀や万葉集にも登場する歴史のある温泉です。
この温泉は、足を痛めた白鷺が道後のお湯で傷を癒して、
飛び立つのを見て発見されたという話や
急病になった少彦名命がこのお湯に入って
病が治ったという神話も残っています。
日本の歴史とともに歩んできた歴史のある温泉です。


古くからの有名な道後温泉に舒明天皇が行幸した時に
その宮には“さわら”と“臣の木”があった。
その行幸されたところを懐かしみ祝福している歌です。


道後温泉は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の
舞台になったことでも知られています。


今の話題では、
“坂の上の雲”の主人公秋山兄弟や
正岡子規の出身地です。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   風に揺れ 枝のさざめき もみ木立 



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