野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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いつまでも緑のきづた
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   かべに生ふる いつまで草の いつまでか


   かれずとうべき  篠原の里 (西行法師)


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遅ればせながら、秋の紅葉が
ちらほら見られるようになりました。


そこに交じって
緑の葉が青々として、蔦に花が咲いています
秋の陽を受けて、からみついている蔦。
濃い緑の葉は、陽に輝いて見えます。

生垣を覆う木蔦

今の季節の、緑の葉の蔦は、「きづた(木蔦)」。
古来では、“いつまで草”とも云われていました。
常緑ですから、葉が落ちる季節に目立ったのでしょう。


この植物は、木質の蔦の意味があります。
冬でも、葉は落ちない、つる性植物ですので、
別名“冬ヅタ”とも言われます。


ウコギ科のこの蔦。
秋に落葉する蔦は“夏ヅタ”でブドウ科に属します。


この「きづた(木蔦)」の葉、
若い葉は、浅く切れ込んだ葉になっています。


良く見ると、
花をつけた枝は、卵型の葉です。
今の時期に、可愛い小さな花を丸く咲かせます。

可愛い木蔦の花

常緑のこの植物は
日陰では、花も咲きません。
その為に、陽のあたるところまでどんどんと伸びます。
大きな樹を覆う程になります。


外国などの教会の壁を覆うのは、“西洋キヅタ”
ツタに覆われている古城や建物には
歴史や富を感じさせるものです。


日本では、木造家屋の為か
ツタを這わせると
病人が絶えないとか、家が傾くといわれ、
建物に這わせるのは好まれていないようです。
ツタが覆った建物は、廃墟を連想させます。


今回の歌も
篠竹の生い茂っている里にある
壁が“いつまで草”に覆われれた家。
常緑の葉の緑の対比が詠われています。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   秋の野に 緑の木蔦 つやつやと


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| 晩秋 | 11:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
紅葉(もみじ)の主役はカエデの紅
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 雨隠り(あまごもり) 情(こころ)いぶせみ 出(い)で見れば


      春日の山は       色づきにけり(万葉集)



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例年ならば、もう紅葉は、舞ってしまい
草紅葉を踏みわけはいる道ですが
今年は、まだまだ木々は紅葉でした。


紅葉は、気温が下がり始めると
葉が紅い色に染まったり、黄色になります。


この色の変化を総称して
「もみじ」といい「紅葉」の字を当てています。
万葉集では、
「黄葉」と書いて「もみじ」と読んでいます。

山道の紅葉


この「もみじ」は、
紅染めした無地の絹布“紅絹(もみ)”からおこったと言われます。


カエデの色づいた紅葉が
“紅絹(もみ)”の色によく似ていたことから
「もみじ」というのは、カエデが独占しています。


今話題の纏向遺跡からは
紅花の種も出土しているそうです。
あの時代に、鮮やかな紅の衣をまとっていたのでしょうか。


そして、三輪山を仰ぎ見るあの地でも
カエデの鮮やかな紅葉が見られていたかもしれません。


それを卑弥呼が見ていたのかは
まだまだ、検証の結果を待たなければなりません。
これからの発掘成果が楽しみなところです。



木々の「紅葉」を見るために
「紅葉狩り」という言葉もあります。
万葉の時代も、一面の「もみじ」の美に感動を覚え
そしてその情感を詠んだ歌が多く見られます。


今回の歌は
雨で家の中にいて、うっとうしいので外に出てみると
春日山は鮮やかに紅葉していたと
心躍らせているというもの。

なんだか今も昔も変わらない心境です。
今年は、まだまだ「もみじ」を楽しめそうです。


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
  山道を 彩り舞う もみじ葉よ



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| 晩秋 | 15:43 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
枕詞として詠まれている、茜(あかね)
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 茜さす  日並べなくに わが恋は


   吉野の川の   霧に立ちつつ(万葉集)



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藪の片隅に巻きついている「あかね」


「茜(あかね)」はつる性の多年草。
四角の茎、四方に広げた葉、
そして茎の小さなトゲが特徴です。

からみついて咲く茜


『本草項目啓蒙』には
“茜草、アカネ、根赤き故に名づく”とありますが
本来は、赤というより黄赤色のようです。


根には、アリザニンを含んでいることで
染料として使われていました。


くすんだ赤色に染まり、
茜空と言われるように
夕空の茜色と言われています。


この茜色から「あかね」は、
“日”“照”“昼”にかかる枕詞になっています。


「あかね」は万葉集の中でも13首詠まれています。
しかし、花の形態で詠まれているのではなく
皆、枕詞として使われています。


赤の中でも「茜色」は、
ちょっと大人の色を感じさせます。


今回の歌は、
旅に出て間もないのに
私が、いとしい妻を恋焦がれる思いは
吉野川の川霧となって、現れていましょうよと。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
  秋麗(うらら) 纏わり花咲く 茜草



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| 晩秋 | 01:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
万葉集で詠まれていない「菊」
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 もろ共に おきゐし菊の 朝露も


     ひとり袂に  かヽる秋かな(源氏物語)



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秋の日差しの道路の両端に
色とりどりの小菊の花が咲いています。


道端に咲いている野生の菊は、野菊といわれ
栽培されている園芸種を、家菊と呼んでいます。

一面に咲く野菊

辞典を調べると
「菊」は奈良時代末期に、唐代の中国から日本に渡来し、
当初は薬草として使われていたとなっています。


中国から渡来した「菊」ですが
牧野富太郎博士によると
日本の野菊の種子が、中国大陸の逝江省あたりに渡り
それを品種改良して園芸種が作られ
それを日本に逆輸入するようになったとあります。


日本では、この「菊」の名前が出てくる最初の書物は、古事記。
古事記の神代編に“菊理媛(くくりひめ)”と出てきます。


古代では「菊」のことを“くく”とよんでいたようです。
「菊」は、たくさんの小花をくくっている頭上花として
“くくる”というところから
古名は“くく”だったのでしょう。


日本書紀によると
宮中では、中国に倣って
9月9日の宴、重陽の節会は、
天武天皇の時から始められたようです。


そこには菊や菊酒には触れられていませんが
源氏物語や枕草子には
盃に菊の花を浮かべて飲む菊酒の様子が描かれています。


今回の歌は、源氏物語からのものですが、
9月9日に、綿に覆われた菊を観て詠われた歌です。


菊の花に綿をかぶせておき
菊の露と香りを綿に、移し採る。
綿に染みた露で、顔や身体をぬぐうと若返り、
長寿でいられると信じられていました。


この時は黄花の「菊」が好まれていました。
黄菊は、高貴を表す花でした。



時代が下って、江戸時代には、
徳川幕府の葵の栽培は禁止されましたが
菊の栽培は盛んになりました。


江戸庶民の間でも
菊を飾り、菊酒がたしなまれました。


菊の園芸熱が高まり
品種改良も盛んに行われるようになりました。


全国各地で菊まつり、
菊の展示会などが行われるようになります。
そして、菊人形なども飾られるようになります。


菊人形が最初に作られたのは文化初年(1804年)
東京の狸穴だったとされています。


日本人の想像力で
菊の花は、日本独自の花の芸術を展開していきます。
今でも、神社などでの菊まつりは、開催されています。
大輪の立派な菊が並んでいます。



一方、道端に咲く
園芸品種ではない、野菊は
華やかさこそありませんが
清楚で野趣に富んでいて
多くの人に好かれています。


古代から咲いていた「菊」の花ですが
万葉集には詠まれていません。


道端に咲いていたであろう「菊の花」を
情感深い万葉の人たちはどうして
詠まなかったのだろうかというのが、私の疑問です。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
  藪菊の  背低く垂れ  咲き揃い



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| 晩秋 | 15:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「からす瓜」は、「唐朱瓜」
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 からす瓜 はひのぼりゆきて 痩杉の


    こずゑに赤き  実を垂らしたり(若山 牧水)



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枯れかけた緑の中に
赤い実が目立ちます。

秋空にからす瓜の赤い実


「からす瓜」と呼ばれているのは
この実はカラスが好んで食べているからとか


又、地上に落ちたこの実を
カラスが食べて、中をカラにするからとも
言われています。


中村浩氏の著書の中では、
「からす瓜」とは、
往時、唐から輸入された朱赤色で卵形の
朱の原鉱に類似しているので
当時の人がこの植物を「唐朱瓜」と呼んだと
記されています。


「唐朱瓜」という説をとると
長い歴史のある植物になります。


晩秋に垂れさがる実の色を見ると
「唐朱瓜」というのもうなずけます。


夏に咲く花は、
糸状に細裂した
繊細な白い花を咲かせます。
この赤い実からは、想像もできません。
繊細なからす瓜の花


黄色い実の「キカラスウリ」の根を粉にして
「天花粉」が作られました。
昔のベビーパウダーです。



子どもの頃の運動会。
足の遅かった私は
秋の運動会が近づくと
大きな木に、絡んでいる「カラス瓜」を
探すのが日課でした。


運動会では、
運動靴などではなく
白い運動足袋を履いていました。


重い運動靴よりも
足にぴったりの足袋の方が、速く走れる。


そして、足袋の裏には
「からす瓜」を半分に切って
その汁をたっぷり塗りこむのが
運動会前の仕事でした。


しかし、なかなか効果を実感できませんでしたが…
こんな使い方をしたのは、私達だけだったのかな。


大きくなって、この話をすると
皆、知らぬ存ぜぬと笑われました。


今でも、この「からす瓜」を
遠くから見つけると
子どもの頃のこんな思い出が蘇ります。


この「からす瓜」を割ると
中は、種が多く出てきます。


この種は黒いところから
「カマキリの頭」や「俵に乗った大黒様」に
見たてられていて
別名「玉章(たまずさ)」という名前でも呼ばれています。


「玉章(たまずさ)」というのは、手紙です。
昔は、手紙をおみくじのように結んで出していました。
その結んだ形と種が似ているところからきています。


「俵に乗った大黒様」見たてられた種は
福を招くと言われ
財布に入れられていたそうです。


この実からの種は
想像している以上に
多くの種が入っています。


事の真偽はわかりませんが
信じてやってみるのもいいかもしれません。



今日の歌は、
晩秋の頃、大きな木から
ぶら下がる、赤い「からす瓜」を詠った歌です。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
  からす瓜 つま先立ちして 一つ採り



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| 晩秋 | 16:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |


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