野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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春の草花の代表「すみれ」の花
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ


   野をなつかしみ  一夜寝にける(万葉集)


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「すみれ」と聞くと可憐なはな、可愛い花。
春の草花の代表「すみれ」の花。


春になると野山で咲く「すみれ」。
そこここに咲く「すみれ」。

群れ咲くこすみれ

子どもの頃、春暖かくなって戸外を走り回り
「すみれ」をみつけるとうれしくなったものです。
摘んで帰っても家にたどり着く頃には
みんな萎れてしまい、水につけてもあの花の可憐さは戻りませんでした。


どこにでもある「すみれ」の種類は多く60種近くもあります。
そして、変種や自然交配による雑種なども
合わせると200種にもなるそうです。


野原のどこでも咲く「すみれ」でしたから
外国に比べて日本では、園芸化されなっかったようです。


どこにでもある「すみれ」でしたから
日本では、庭で育てるというものではなかったようです。
ですから、海外に知られたのも遅いものでした。


そんな身近にある「すみれ」の名前の由来は
牧野富太郎博士が提唱した
大工さんが使う“墨斗(すみつぼ)”に似ているからとされています。

道端に咲くすみれ
しかし、
「すみれ」の咲きかけの花や蕾は“墨斗(すみつぼ)”に似ているが
咲いた花は、“墨斗(すみつぼ)”には似て非なるものと
中村浩博士は著書の中で疑問を提起しています。


中村説は、
古代の武具の一つの“隅取柄弦(すみとりえつる)”で、
武者が持っていた旗印があります。
この旗印は、隅取紙と言う方形の紙を折って、
戦場に出た時の標識として使われていたようです。
源平時代になると、紅白になりましたが
それ以前は、白や紫などで染められて使われていた。
その折られた旗印からという説を出されています。


明治の本草学者の山本章夫は
「すみれ」は“摘まれる”から転化したと言っています。


万葉の歌からも
「すみれ」は、古くから摘まれていたことが伺えます。


摘んだ「すみれ」の
若芽を食用にしていたのか
その花を染料に使っていたのか定かではありませんが
今でも山菜として食用になっている種類もあります。


今回の歌は、
春光の中、麗らかさの春の野辺にすみれ摘みに来て
こののどかな風情が懐かしく一晩を過ごしてしまったと
自然も人も融合したような、春の情景が浮かびます。


古来は“須美礼”と書かれていた
「すみれ」の語源はいろいろあります。


「すみれ」が咲く野原がなくならないように願うばかりです。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   道の端 ただ一株の すみれ花
 


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さくらと山の神
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  此の花の 一弁(ひとよ)の内に 百種(ももくさ)の



   言(こと)ぞこもれる  おろそかにすな(万葉集)



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さくらも、花散るさくらになっています。
関東は、今月に入ってからの低温で
はらはらと散る光景が長く感じられました。
サクラの落花路



万葉の頃は、花といえば“梅”でしたが
平安時代になると、花といえば“さくら”の時代になり
現代の今でも続いています。



その“さくら”も年を経るごとに改良が重ねられ
今では400種類余の品種があります。



さくらといえば、“ソメイヨシノ”が一番に思い浮かびますが
この“ソメイヨシノ”は、
明治時代にアメリカのウィルソンが
関東に多い“オオシマザクラ”と“エドヒガンザクラ”の
雑種であることを見つけました。
明治33年に、“ソメイヨシノ”と命名されたものです。
命名されてから100年余りのさくらです。



古の時代から、花を咲かせていた“ヤマザクラ”などに比べると
まだまだ小さな赤ちゃんです。



では、人とサクラとのかかわりはいつ頃からでしょう。
もっとも古いものでは、縄文時代のサクラの木でできた弓があります。
福井県の5000年以上前の遺跡から出土しています。



古事記にも、
“ウワズミサクラ”の木で鹿の骨を焼いて占ったと出てきます。



人の生活で一番大事な農耕。
その農耕の目安とされていたのがさくらでした。



サクラの開花で、田を耕し始めたとされています。
開花したことで、山の神が里に帰ってきてくれたとされていたようです。
その神とすごすのが、花見の起源とされているとか。



人々は、ただお花見をするのではなくて
この一年の豊穣を願う花見は、大事な行事だったようです。



今日の歌も
サクラの花のつけ方が
一年の作物の出来を占う前触れとされていたことを伺わせる一首です。

関東に多いオオシマザクラ



今年は寒い4月を過ごしています。
寒くてお花見をする人達も震えていた様子がテレビで映されていました。



こんな年のサクラの開花から、
古の人たちはどんな農耕予定を立てていたのでしょうか。
ちょっと気になるこのところの寒さです。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   
   はらはらと そこここに散る さくら花
 



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| | 17:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
美女にたとえられる「海棠(かいどう)」
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  一もとの 海棠の花 若葉木の


  ながめとなりぬ   山山の雨 (岡 麓)


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桜の咲く頃に、庭先でもコロンとした蕾から花開く「海棠(かいどう)」。
垂れた蕾は濃い紅色で、
開花すると共に淡い紅色花びらが
艶麗な花が、うつむきかげんに開いていきます。

紅色の海棠の蕾
中国原産の「海棠(かいどう)」


「海棠(かいどう)」の種類は
“ハナカイドウ”“ミカイドウ”に分けられます。
中国では、この他に“ホンカイドウ”など多くの種類があります。


文献に初めて出てくるのが「尺素往来」です。
中国から、室町時代に渡来したようで、
この種類は、“ミカイドウ”だったようです。
漢名は“実海棠”


“ミカイドウ”は樹勢も大きくなり、
黄色の梨に似た実がなります。
昔は、ナガサキリンゴともよばれていました。


今、一般に「海棠(かいどう)」と呼ばれるものは、“ハナカイドウ”です。
漢名は“垂糸海棠”
“ハナカイドウ”は、江戸時代中期頃に渡来したと言われています。

あでやかに咲く海棠の花
中国原産のこの「海棠(かいどう)」は
唐書の「楊貴妃伝」によって、その名を高めているようです。


楊貴妃が玄宗皇帝に召されて
沈香亭で酒に酔ってしまい
起き上がれないのを見て
玄宗皇帝は、
酔ってほんのり頬を染めながら
眠りから覚めない楊貴妃の姿を
淡く紅を含んだ「海棠(かいどう)」の花にたとえています。


そのことから、“睡妃”や“睡花”とも言われています。
一本の枝から無数の細枝に下向きの蕾があり、
その無数の蕾が開いていくさまは、
優しく華やかな雰囲気を漂わせています。


下向きに咲いている花に春の雨が、しめやかに降ります。
雨が、淡い紅色の花を伝っていき、露の玉を結ぶ情景を
「雨に悩める海棠(かいどう)」ともいわれます。


今日の歌も、雨の中に咲く海棠を詠っています。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   麗らかに 花海棠の 蕾揺れ
 


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万葉の頃から楚々と咲く「かたくり」の花

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  もののふの  八十(やそ)おとめ等(ら)が 汲みまがふ


    寺井のうえの  堅香子(かたかご)の花 (大伴 家持)


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万葉集に出てくる「堅香子(かたかご)」は、
今では「かたくり」と呼んでいるものです。


花の便りが聞かれる頃に
葉が大きくなり
ほんのひと時花を咲かせる「かたくり」。


斑紋のある葉を広げ
うつむき加減に咲いている「かたくり」の花。
すっと伸びた茎の先端に淡い紅紫色の花は、楚々として上品です。
斜面にさくかたくりの花

春の陽射しを木々がさえぎるような
ちょっと日陰の斜面に咲いています。
草刈りなど管理が生き届いた所に自生するようで
栽培にはちょっと手入れが必要なようです。


この花の開花期は一週間程。
そして地上部を枯らして、根茎を養生させています。
この根茎から採れたでんぷんが「かたくり粉」です。


この「かたくり粉」は、
昔から重要な食品の一つでした。
お湯で溶くと、消化にもよく滋養にも優れていたことから
病の人にとっては、なくてはならないものだったのです。


この「かたくり」は、
おもに本州中部以北の山野に自生していました。
江戸時代名品と言われた、
奥州南部藩の「かたくり粉」は将軍家に献上されていました。


その栽培のむずかしさからでしょうか、
現在の「かたくり粉」は、馬鈴薯に変わっています。


今回の歌は、
家持が越中守時代の頃、詠んだ歌です。


清水のほとりで咲いている「堅香子(かたかご)」の花。
その花の香りと共に、水汲みに来た乙女たちの
笑い声が聞こえてくるような場面が詠まれています。
春ののどかな情景が目に浮かぶようです。


いつもでしたら
桜が満開になる頃
咲きだす「かたくり」の花ですが
今年は、桜の咲く前に静かに咲いていました。


花の時期、ちょっと変わると心配です。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   春雨に かたくりの花  閉じ迷う
 


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「つくし(土筆)」誰の子、すぎなの子
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  いづこにも まづ春さきの こほしきは



   土筆の萌ゆる  土とぞおもふ(土田 耕平)



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春の陽射しの暖かさとはいえない
冷たい寒気が感じられる関東です。



それでも、春の陽気を浴びようとむくむくと
頭をもたげている「つくし(土筆)」。
むくむくと頭をもたげるつくづくし

小さな頃、「つくし誰の子、スギナの子」なんて言いながら
「つくし(土筆)」摘みした思い出があります。



良く考えると、
つくしの胞子から繁殖し、スギナが出てきますから
「つくし(土筆)」はスギナの子ではなく、スギナの親ですね。



この「つくし(土筆)」は
源氏物語などででてくる古名は「つくづくし」です。
そして「つくづくし」が簡略化されて
今の「つくし」となったといわれています。



暖かくなって、外に出て
「つくし(土筆)」を見つけるのはうれしいものでした。
摘んだつくしで、良く遊びました。
はかまの所の茎をぬいて、また元通りに挿して



“つくつくぼうし、つくぼうし
どこ継いだか あててみろ…”と遊びました。



丈夫そうな太いつくしは、継いでも揺るぎもしませんでしたから
なかなか見つからなかったものでした。



春先に「つくし(土筆)」がぽこぽこと地上に出てきて
子どもたちの遊びの中から
古名の「つくづくし」と呼ばれてきたのでしょうか。
源氏の世界から子どもたちは
春になって、野原に行って摘んで遊んできたのでしょう。



ですから「つくづくし」が年代を経て
その地方ごとに多くの呼び名がつけられきました。
「ツギクサ」
「ツギツギボウズ」
「ジキジキボウズ」
「ドコドコボウズ」
「ドコドコツナギ」
どれも、子どもの遊びの中から呼ばれてきた名前になっているようです。



坊主頭が、春の陽を浴びてむっくり出てくる姿を
みんなが待ち望んで、摘んだりして
大いに遊んだのでしょう。



この「つくし(土筆)」の時期は短くて
その後、スギナが地面を緑に変えていきます。



今回の歌は
土筆が出てくる春ををまっている様子を詠んでいます。



「つくし(土筆)」は、山菜としていろいろ調理されているようです。
今年は、初めて天ぷらにして見ましたが
坊主頭のほろ苦さが感じられませんでした。
我が家では、土筆の卵とじが人気です。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   
   春の土手 花を眺むるより 土筆摘む
 



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