2011.11.07 Monday
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やどりせし 人のかたみか ふぢばかま
わすられがたき 香ににほひつつ(紀 貫之)
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秋の七草として、
山上憶良に詠まれている「藤袴(ふじばかま)」。
水辺に生える「藤袴(ふじばかま)」は、
乾燥させて、香り高い香料として
又、虫毒を除き、不祥を避ける草として使われていました。
秋の七草の他の、
はぎ、すすき、くず、なでしこ、おみなえし、ききょうは
割合どこにでも見られ
万葉集の中でも詠まれていますが、
「藤袴(ふじばかま)」だけは、
山上憶良の歌だけです。
奈良時代以前に、中国から渡来しています。
中国では、“蘭”と表現されていました。
元来中国では、
芳香を放つ草を“蘭”と総称していたようです。
延喜年間(918年)に出来た、“本草和名”に
“蘭草”の和名は“布地波加末(ふぢはかま)”と記されています。
平安文学の
源氏物語の第30巻に「藤袴(ふじばかま)」があります。
その本文中には、
「…蘭の花いとおもしろきを 持ち給えりける…」とあります。
その芳香から“蘭”とも云われていたのが伺えます。
今回の歌も
泊まっていった人が置いていった「藤袴(ふじばかま)」の
匂うよい香りが忘れがたいと、詠っています。
古来は、川辺などに多く生えていたと思われますが
今では、あまり見かけなくなり
希少の植物となってしまっているようです。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
秋の野に むらさき匂う ふじばかま
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