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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うす紅の なかにひと花 白妙の
匂いあまれる 芍薬の花 (大田 水穂)
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「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
この言葉は、美人を形容する言葉です。
今では影が薄くなった言葉になっています。
今回は、見事に咲く「芍薬(シャクヤク)」の花。
中国や北欧原産の宿根草。
古来、薬用として渡来しました。
この根を乾燥させたものを
鎮痙薬、鎮痛薬として使っていました。
“エビスグサ”といわれていました。
勺とはけいれんを伴う病気をいいます。
多分てんかんの発作を伴う病気です。
あのシーザーもその病に悩まされていたのでしょうか。
ギリシャでもシャクヤクの仲間が栽培されて使われてました。
鎌倉時代以降は、和名よりも
漢名を「芍薬(シャクヤク)」と音読みで呼ばれています。
薬草として栽培されていましたが
この花の美しさから
江戸時代には、鑑賞用の栽培が盛んになります。
多くの品種が、書物に記載されるようになります。
中国でも最初に栽培された花として伝えられています。
「芍薬(シャクヤク)」はボタンの姉妹花。
牡丹は百花王といわれ
「芍薬(シャクヤク)」は宰相の異名を持ちます。
「芍薬(シャクヤク)」も牡丹も、華麗な存在感のある花で
似ていると言われますが
「芍薬(シャクヤク)」は草。
毎年、新しい芽を伸ばして花をつけます。
牡丹は、樹になり横枝を伸ばして花をつけています。
牡丹の花が終わる頃
「芍薬(シャクヤク)」の蕾が大きくなり開花します。
梅雨空に咲き揃う存在感のある花。
大きな「芍薬(シャクヤク)」の花が
咲いている情景をうかがわせる一句です。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
芍薬の 花びら開き 雨模様
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
夏ごとに 木の暮れまぎれ 見過ぐしし
花やまばうし 白白しろし (鹿児島 寿蔵)
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春の花の後の緑の季節。
緑の木立に、白い花が目につきます。。
その中でも青葉の中に、
たなびく白雲を思わせる様な樹木。
枝先に、花枝をだして白花をつけている「ヤマボウシ(山法師)」。
白い4枚の花弁が風に揺れて涼しそうです。
白い花弁状の4枚は、葉の変形で総苞片です。
遠くから見ると白い苞は、花びらのように見えます。
中央の丸い小さな蕾が集まっているのを頭に、
その周りの白い総苞を、頭巾に見立てて
「ヤマボウシ(山法師)」と、名付けられたと言われています。
これは、美濃・尾張地方で呼ばれていた方言だったようです。
白い苞の中心は
小さな花が咲いた後には、
秋にちょっと甘酸っぱい紅い苺のような実をつけます。
昔は、この赤い実を“イツキ”と呼んで食べていたと
母から聞いたことがあります。
この植物は、いつの頃からあったのか定かではありませんが、
江戸時代の文書では、“イツキ”とされていました。
「ヤマボウシ(山法師)」という名は、ドイツ人のシーボルトの
“日本植物誌(フロラヤポニカ)”にも記されています。
今日では、「ヤマボウシ」の呼称が標準になっています。
又、桑の実に似た赤い実から“ヤマグワ”とも呼ばれます。
大正四年、東京市長・尾崎行雄が
アメリカに贈ったさくらの返礼に
届いた“ハナミズキ”の別名は“アメリカヤマボウシ”です。
こちらの総苞片の方は、丸みがあります。
同じミズキ科の樹木です。
現在、街路樹に多く使われている“ハナミズキ”。
“ハナミズキ”の後に咲く「ヤマボウシ」。
それぞれが並んで植えられていて
花のリレーを奏でています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
白き雲 遥か彼方の 山法師
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あまどころ あえかに曇る 峡の径 (小松崎爽青)
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初夏の風の中、
斜めに立ちあがる茎に
楕円形の葉を何枚もつけています。
葉の下には、白い花が揺れています。
「あまどころ(甘野老)」です。
猫背に生えて曲がっているから、
“甘野老”と言われたのだと思ってました。
しかし、この地下茎が甘くて食用になります。
若芽をさっとゆでると
甘みがあって美味しいとか。
そして、ひげ根が多いこの植物。
“ところ(野老)”の根に似ているところから
「あまどころ(甘野老)」と名付けられたのだそうです。
“海老”と“野老”
海の“海老”ではない
陸地の“野老”、野のえび、
ひげ根の多い地下茎が海老に似ているところからきています。
山野の草地に生える「あまどころ(甘野老)」。
この根茎を乾燥させたものは
滋養強壮にも用いられます。
今の季節、葉腋に白い筒状の花が
1〜2個の花を付けます。
花の先の方は、緑色を帯びて
その花が、風に揺れる姿に
夏の到来を思わせます。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
草分けて 葉茎を垂れる あまどころ
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