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今回の東日本大地震の 被災地の方々には
心よりお見舞い申し上げます。
━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
よく見れば 薺花咲く 垣根かな (芭蕉)
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どこの草むらにもある「なずな(薺)」
人に息づかいのするところに生えているようです。
人の気配のない、山奥などには見られません。
人のいる、畑、道端、空き地などに生えています。
そんな人懐かしく生える「なずな(薺)」ですが、
先ず、刈り取られる草になっています。
今は、見向きもされない草になっていますが、
古来は、春の七草の代表として
早春、萌え出てきた葉を摘む、野菜でした。
春の七草は、目で楽しむ秋の七草と違って
健康を祈る薬用植物でしたから
薬草としても利用されていました。
「なずな(薺)」の語源は、“撫で菜”とも言われますが
古い朝鮮語の“ナジ”からとも言われ
今でも韓国では、なずな料理があるようです。
「なずな(薺)」は、アブラナ科の二年草です。
白い小さな十字花をつけ、
どんどん伸びてくると、花の下に
三角形を逆さまにしたような果実がつけます。
子供の頃、草むらの中から
三角形の果実を沢山つけた「なずな(薺)」を摘んで
振って鳴らして遊んでいました。
その果実が、三味線のバチに似ているところから
“ぺんぺん草”ともいわれていました。
“ぺんぺん草が生えている”と言うと
人が近寄らない寂しい表現に使われることが多くなっています。
ちょっと人気のない「なずな(薺)」ですが
炭酸ガスなどの汚染物質を吸収して
土に還してくれる働きを持つとも言われています。
草として追いやられてしまう植物ですが
ちょっと見直しても良い植物かもしれません。
大震災の後の
海水がさらっていった土地に
一番先に生えてくるのは、
人懐かしく生えてくる「なずな(薺)」かもしれません。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
薺花 幼き頃の 音を聞き
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
寒しと言ひて 心ひがめる わがまへに
目をみはりたる 雪割草の花 (若山 貴志子)
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春になって
白く積っていた雪どけ直後に開くところから
「ゆきわりそう(雪割草)」と言われています。
厚みのある緑の葉が、
寒さを守ってくれていたように見えます。
その中から、細い柄を伸ばして咲きだします。
葉の先が尖らずに丸くなって、
まるで洲浜形になっているところから
「すはまそう(洲浜草)」とも言われています。
“洲浜”と言うのは、
板を海浜の洲に似せた物を作り、
その上に、岩木花鳥を飾ったもの。
昔、“洲浜”は、酒宴の席に置かれていました。
ちなみに、「すはまそう(洲浜草)」より葉の先が、
尖っているのは“みすみそう(三角草)”と言われます。
この「ゆきわりそう(雪割草)」は、キンポウゲ科です。
高山植物で、サクラソウ科の“雪割草”もあります。
“雪割草”として、どちらを頭に思い浮かべたでしょうか。
春を待ちわびていたかのように咲くこの花。
中心に多数の雄しべと雌しべをがあります。
この雄しべと雌しべを
白い花びら状のがくが囲んでいます。
ですから、この花は、花びらはありません。
花びらのない可憐な花です。
今回の歌は、
寒いと、閉じこもってしまっていたのに
見れば雪割草の花が咲きだして、
春の到来に驚いている様を詠っています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
春の日を 待ち受け開く 雪割草
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