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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
寒木瓜の 吾娘にも欲しき つつましさ (関口 たま)
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寒風に揺れている、緋紅色の
「寒木瓜(かんぼけ)」の花。
「木瓜(ぼけ)」はもともと春の花ですが
冬の時期に花を見る為に栽培された「寒木瓜(かんぼけ)」。
その種類は多くあり
鉢植えや切り花としてつかわれています。
又、盆栽にも仕立てられています。
「木瓜(ぼけ)」は、中国から渡来した植物です。
“木瓜(モッカ)”から転化したものと言われています。
落葉低木で、
朱、緋紅色、薄桃色、白と
花の色が混じり合い優しい色調が何とも言えません。
春を迎えるこの時期に、
緋紅色、薄桃色、白などの色が混じり合い咲きます。
庭木としても人気があります。
花が終わった後には、
球形のりんごに似た果実をつけます。
果実酒などにすると、疲労回復に効くとか。
寒さの情景のなかで
寒さゆえなのか
花弁が大きく開かずに抱えるような咲き方をします。
その為、「寒木瓜(かんぼけ)」は、
鮮やかな中にも
つつましさを感じさせるような花です。
今回の歌は、
寒さの中に咲く「寒木瓜(かんぼけ)」の花を見ながら
娘を想う親心を詠っています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
雨もなく 寒木瓜の花 色乾き
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
老いぬとて 松は緑ぞ まさりける
わが黒髪の 雪の寒さに (新古今集)
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「松(まつ)」は、
美しい日本の情景を作っています。
この寒さにも緑を失わずに
古木になる程、風格が備わってきます。
古来から、百木の長として
神を呼ぶ、神への依り代に選ばれています。
その為、
新春の松飾りから始まり
年末にいたるまで
需要の多い木の「松(まつ)」
古来から、長寿を不老を象徴するものとされてきました。
民衆の芸として言われる猿楽から発展した“能”
そこで使われる謡曲は、
植物を擬人化して、
その植物の精を登場させるものも多くあります。
この謡曲の中で使われるものにも
「松(まつ)」が多く使われています。
その中の“老松”のなかでは
秦の始皇帝が、泰山で小松の陰で雨宿りをしたところ
この松、
にわかに大木になり、
雨がかからぬように枝を垂れ葉を並べたので
始皇帝はこの松に“五大夫”「史記」にある故事。
「松(まつ)」の別称となっています。
その“老松”が能舞台にも描かれています。
今回の歌は、
だんだん雪のように白くなってい
季節は、雪が降って寒いのに
老いていく松は、緑が優っていくと詠っています。
自分の気持ちを現わしているような歌です。
霜枯れのこの時期に
松の緑が一層濃くみえます。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
朝まだき 寒の風吹き 松緑
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
八つ手咲き いくさきざきの この寒さ (加藤 かけい)
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緑の大きな葉の上に可憐な花がついている「八手(やつで)
小さな白い花が集まり丸くなって、
先の方から、次々と咲きだしてます。
この前読んだ本に
この「八手(やつで)」の花の面白いのは
先ず、おしべと花びらと未成熟のめしべがあるオス花の時期、
そして、おしべと花びらが落ちて中性の時期。
その後、めしべが成熟したメス花の時期を過ごすとの事。
そうする事によって、
同じ花からの受粉を避けているのだそうです。
垣根越しに咲いている「八手(やつで)」の花の時期を
観察するのも面白そうです。
天狗が手に持っているような葉の「八手(やつで)」
大きく育った葉を見ると
八つに分かれているのではなく
実際は、七裂から九裂の方が多く見つかります。
小さい葉は、三裂や五裂で
栄養が良い葉は、十一裂や十三裂までになります。
いずれにしても、奇数に分かれます
数字を使う場合、
“八”の数字の方が縁起が良いということで
「八手(やつで)」と言う名前になったと考えられます。
ちょっと観葉植物を思わせる「八手(やつで)」は
熱帯地方の産地を想像させますが、
日本固有の植物なのだそうです。
いつの頃から、どの様に進化してきたのかよくわかりません。
江戸時代の頃も
園芸品種としての認識はあまりなかったようです。
魔よけの意味もあり、
よく、玄関先に植えられています。
葉芯から出た梢に丸く咲く「八手(やつで)」の花。
この花が咲くと冬の到来を思わせます。
「八手(やつで)」の花が咲きだすと
寒さも厳しくなっていく様子を詠っています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
塀越しに 背比べのよう 花八つ手
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
枇杷の花 さきそめて 日のあきらけき
今日は折をり 蜂がまつはる (佐藤佐太郎)
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北風の中の寒い中で、
まるで外套をまとって咲いている花が「枇杷(びわ)」の花。
果樹の花がこんな寒い時期に咲くのも面白いです。
梅雨が始まる頃に橙色の果実になります。
漢名の「枇杷(びわ)」。
実が、楽器の“びわ”に似ているところからついたとされています。
子供の頃よく聞かされていたのは
“枇杷の木が植えてある家は、病人が絶えない…”と。
この「枇杷(びわ)」は、
食べた時、種をそのまま地面に捨てておくと
すぐに芽が出て
大きくなるのも早い。
少し、大きくなると必ず抜かれていたものです。
子供の頃は
沢山の実がついた大きな木を見ると、
病人と橙色の実がどうしてなのだろうと
不思議な思いで見あげていました。
中国でも、焼き肉などと一緒に食べると
病気になると言われていたようです。
この時期に咲く花と大きくて分厚い葉が多い木です。
その為一年中常緑の葉の為に
陽が射さないことからの迷信だとされています。
中国では漢の時代から、「枇杷(びわ)」の栽培をしていました。
日本でも、暖かな海岸などに自生していましたが
自生の「枇杷(びわ)」は、果肉も薄く
あまり、利用はされていませんでした。
今でも、庭木で植えてある木になる実は小さいです。
栽培されたものと比べると本当に小さい。
食べるのも大変ですが
熟した実は、美味しいですね。
「枇杷(びわ)」の栽培が盛んになったのは明治に入ってからです。
それにつれてでしょうか、
民間療法での、びわの葉健康法が多く聞かれるようになります。
今では、常緑のびわの葉は、
煎じて飲まれたり、あせもを治すのにと使われています。
この時期に咲く「枇杷(びわ)」の花は
5枚の花びらを持つバラ科です。
この寒い時期に
陽射しの薄い中で
毛羽立った厚い外套の中から顔を出す花は可愛いものです。
今回の歌は、
「枇杷(びわ)」の花に飛ぶ蜂
冬の日だまりを思わせる情景です。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
寒の朝 肩寄せ縮む 枇杷の花
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葉蘭にたまる 日脚のみじかさ (尾山篤二郎)
常緑の緑を楽しむ「葉蘭(はらん)」。
「葉蘭(はらん)」と名付けられたユリ科の植物です。
常緑の葉は薄くて硬くてつやがあり幅広です。
長さも50cmを越える大きなものです。
最初は、観葉植物として鑑賞されていました。
大きな葉のために、花をいけるための練習になっいますので
お稽古初めのための花材に、使われています。
包丁で形つくられた、「葉蘭(はらん)」は
料理を一層、引き立てています。
“バラン”が使われているようです。
「葉蘭(はらん)」が使われていたのは主に関西で、
関東は“笹”が使われていたようです。
幅広の「葉蘭(はらん)」で、おにぎりなども包んでいたようです。
紫がかったつぼ型の花を咲かせます。
割合根づきやすいこの「葉蘭(はらん)」は
密生して、日陰でもよく育ちます。
庭の片隅で、冬でも緑の葉を揺らせてる光景がよく見られます。
庭に群生する常緑の「葉蘭(はらん)」を詠っています。
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