野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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風に揺れる柾の赤い実
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   つくばひや 斑入り柾の 咲きこぼれ (圭  岳)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここのところ、目につくのは、木々の赤い実。
葉が落ちた木につく赤い実が多い中で
つやつやとした常緑の葉の中から、
実が割れて朱赤の種が顔を出している「柾(まさき)」。

緑の葉と赤い実の柾

子供の頃の家並みは
ブロック塀などはあまり見られませんでした。


緑の生け垣が多くありました。
この「柾(まさき)」も生け垣に多く使われていました。


常緑のつやつやとした葉の生け垣で
家々は、区切られていました。


若葉が濃くなる頃の葉を
くるくる丸めて、先をちょっと潰して
思いきり吹くと、可愛い笛になります。


学校の行き帰りに、
葉っぱをちぎっては、
この笛を吹きあっていました。


この頃は、ブロック塀の家が増えて
あまり、「柾(まさき)」の生け垣が見られなくなりました。
梅雨時に発生する病気なども関係しているようです。

小さくて可愛い柾の花
この「柾(まさき)」は、
梅雨時に白くて小さな花を咲かせます。


生け垣として見ていた頃は、
剪定時期もあったのでしょうが
花も実も種もあまり見た記憶はありません。


大人になってから
この実を見つけた時は、感激たものです。


時々、見かけると
つい葉っぱをつまんでしまいます。

実から顔出す柾の種

今回の歌は、
庭先の手水鉢の傍らに、
つややかな斑入りの柾の葉。
紅い実の中から顔を出す、朱赤の種。
趣のある情景を詠っています。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   冬の朝  寒さに踊る  柾の実


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| | 01:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
寒さの庭を彩る、まんりょう
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   大和路へ  冬入り来たり この朝け


    寺にありて見る   庭の万両(木下 利玄)


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紅葉の葉も舞い落ちると
冬の陽に照らされる木々の中に
紅い実が目につきます。
冬の陽のなかの万両
その中でも
寒くなると、その珊瑚色の色味を一層増す
「万両(まんりょう)」
縁起物として、正月に飾られます。


紅い実がつくものとしては
“せんりょう”の「千両」もありますが、
他のものより下向きの紅い実が
多くついたからでしょうか?
「万両(まんりょう)」です。


この中で、紅い実の彩度が高い「千両」だけは
“せんりょう科”に属し、科目が違います。


同じやぶこうじ科の“やぶこうじ”や“からたちばな”は、
万葉集にも詠われています。


この「万両(まんりょう)」の存在が
庶民にも知られるようになったのは
江戸後期から明治時代になってからのようです。


今では、実を食べた鳥の糞からも増えると云われて
林の中でも、多く見られます。


しかし、いつの頃から「万両(まんりょう)」と認識されたのか
はっきり分かってはいないようです。


古代に見られる“やぶこうじ”や“からたちばな”が
いつの頃からか、交配したのかもしれませんが…


江戸時代になると文献にもみられます。


武士世界の江戸時代には、
“万量”や“まん竜”などとでてきます。
武士の世界では、
あからさまな金銭の名前は避けられていたのかもしれません。


その他に、江戸時代では
“あかき”とも呼ばれていました。
紅の彩りがます万両
珊瑚の実が、冬の庭を彩る「万両(まんりょう)」。
今では、実を食べた鳥の糞からも増えると云われて
林の中でも、多く見られます。


明治時代になってから、品種改良も多く進んで
今では、多くの品種が栽培されています。


今回の歌は、
冬に入り寒さも増してきた
早朝の寺の庭に咲く、
下垂した、深みをました紅色の実が
冬庭に彩りをましている情景が詠われています。


これから、寒さに向い
冬枯れの中で、紅い実が彩りを添えてくれるようになるでしょう。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   薄日さす 万両の紅 影長く


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| | 14:35 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
人の姿に似ている、柊
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う


━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   ひひらぎの 白き小花の 咲くときに


   いつとしもなき  冬は来むかふ (斎藤茂吉)


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なんだか秋の香りを思わせる花の香り。
細かな白い花が沢山咲いていました。

老木に咲く柊の花

太い木には、
つやつやと深みのある緑の葉。
小さな葉の間から白い小花が沢山ついています。
この季節、こんなに花の咲く木は何だろう。


よくよく見ると、
先の葉だけが、ちょっと尖っています。


小さな白い花の咲いているのは「ひいらぎ(柊)」でした。
木へんに、冬と書く「ひいらぎ(柊)」。


“きんもくせい”と同じモクセイ科です。
その為に、花の香りも似ていたのかもしれません。


そして、古木になると、
葉の周りにあった尖った部分が丸くなるとか。


こんなに沢山の花をつける「ひいらぎ(柊)」を
私は、初めて知りました。


「ひいらぎ(柊)」は“疼木”ともいわれ
“疼”は、ひひらぐで痛むの意味です。
葉のトゲに触ると、ひりひりと痛んだ所からきてるのでしょう。


その常緑の葉に鋭いとげを持つ「ひいらぎ(柊)」に
鬼は目が傷つくのを嫌がったとかで、
立春の向える豆まきの日に
鰯の頭と共に、
門や出入り口に飾る風習は今でも残っています。


若い木の葉は、鬼を退治する程の
鋭いトゲを持っています。

香りを放つ柊の花

老成すると
葉の鋭いトゲも見られなくなり丸くなる「ひいらぎ(柊)」


老いたら、人当たりも丸くなるのがいいですね。
なんだか、人の姿に似ているようです。


今回の歌は、
「ひいらぎ(柊)」の花が咲きだすと
冬がやって来ると詠っています。


晩秋から咲き始めて花が散ったあとは
寒い冬がやってきます。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   霜曇り 柊の花 はらはらと


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