野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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縁起ものの搗栗(かちぐり)
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う


━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   山風に 峯のささ栗 はらはらと
   
    庭に落ち散る  大原の里
 (寂然 法師)



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秋の味覚が、楽しめる今日この頃。
「栗(くり)」ごはんが美味しい季節です。

春に花が咲き、秋に、実をつける。
多くある木の実のなかで
「栗(くり)」は、茹でて、焼いてと
手軽に食べられる木の実です。
日本では、縄文の昔から、食べていました。

顔を出す栗
昔から、貴重な食料とされてきた「栗(くり)」。



山野に自生している物から
栽培も多くされてきました。
又、庭先でも植えられてきました。



この時期、毬(いが)の中から顔を出す「栗(くり)」。
子供の頃は、山の中に入って
大きな栗の木の下で、栗拾いをしました。



殆ど、茹でて食べてました。
鬼皮が、なかなか剥けずに苦労をしながら
それでも、栗の甘みは美味しいものでした。



祖母などによると
かまどの灰の中に入れて焼いて食べたとか。
いつも聞きながら、
さるかに合戦の一場面を思い出していました。




栗の実をよく干して
殻と渋皮を取り除くために臼で搗いて作られる“搗栗(かちぐり)”
臼で搗くことを“搗(か)ち”。



“搗(か)ち”と“勝(か)ち”にかけて
その昔、戦場に向う出陣の時や勝利の時に
“搗栗(かちぐり)”を供えたり、食べたりしていました。
今でも、正月に食べる習慣もあります。

落ちる栗の実
秋に沢山採れた「栗(くり)」は、
干して保存されて、縁起物としてだけでなく
栄養豊富な貴重な食料だったのでしょう。



今回の歌は、
秋も深まり
風に乗って、山の上からの栗が落ちてくる様子が詠われています。



「栗(くり)」をたくさん集めて
“搗栗(かちぐり)”を作ってみましょうか。



 




━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   道行きて  栗の毬(いが)より  顔出す実 



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釣られ揺れる、釣船草
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   吹きあぐる 風にゆらぎて とどまらぬ



    草の中の   吊り船の花  (木村 流二郎)


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水辺の草が、揺れています。
優しい風に揺れています。


近づいてみると、
まるで大きな口を開けた花が
釣られたように咲いていました。

静かに揺れる釣船草

紅紫色の花が、葦の根元の草の間に揺れてます。
それは、細い一本の花柄で吊られた花です。


吊られた花は、可愛い三角帽にも見えます。
少しの風にゆらゆらと揺れている花。
この花、こんな名前が付いていました。


「つりふね草(釣船草)」
この花の形は、
帆かけ舟を吊り下げたように
見えるところから来た名前だそうです。


湿地では、どこにでも自生している植物だそうですが
今は、河原も整備されてきていますから
湿地などが少なくなってきています。
あまり見られなくなってきている草花になってるようです。


東北の方では、この植物は、
“かわらほうせんか”と呼ばれているように
「つりふね草(釣船草)」の繁殖力は旺盛のようです。


細長い莢に包まれた種は、
熟すとちょっと触れただけで
遠くまで、弾き飛んでいくそうです。


湿潤な土地であれば、
吹き飛ばされた種から芽がでて
秋に、吊られた紅紫色の花、「つりふね草(釣船草)」を
いっぱいに咲かせてきたのです。

吊られて咲く釣船草

今回の歌、
風に揺られながら、紅紫色の花が、
草むらの中で揺れている情景が浮かびます。


静かな秋の陽を受けながら
吊られて咲く花が揺れている様子が詠われています。


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   水の音と 共に揺れ咲く 釣船草


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秋の風情のすすきは、万葉の時代から
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   人皆は 萩を秋といふ よし我は


   尾花が末(うれ)を 秋とは言はむ (万葉集)


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今年は夏の暑さも残っていましたが
秋の陽射しになると
秋の草花が、目立つようになりました。


「薄(すすき)」の花穂も、秋風を受けて靡いています。

風に揺れるすすき

万葉集では、
秋の花として“萩”に次いで多く詠まれている「薄(すすき)」。


秋の風物詩として、箱根の仙石原のすすき草原が知られています。
ここの「薄(すすき)」は、
土地の名前とはうらはらに、
火山灰土壌と湿地のため、
屋根葺き用の“かや”を生産するために
「薄(すすき)」が植えられていました。
生活の糧だった、仙石原ですが、
今では、秋の風情を楽しむ草原になっています。


近所の川辺などに「薄(すすき)」の一群を見ると
古の秋の情景が、思い起こされます。


漢名は、“芒”


和名は「薄」が使われています。
これは、この茎葉が密に叢をなして株から生えていることから
古の人達によって、使われたものです。


万葉集での「薄(すすき)」は、
“かや”や
「薄(すすき)」の花穂の“尾花”などとしても詠まれています。


「薄(すすき)」は
“すくすくと立ちたる草として”の意があるとも
“神楽に用いる鳴物用の木”として
“すずの木”の意ともいわれています。


「かや」の意は、“刈る”や
屋根を葺く材料としての使われた物としての意があります。
この「かや」は、
もっと古くから使われていたのではないかとも言われています。


その他に
“はたすすき”“しのすすき”“はなすすき”としても
万葉集では詠まれています。
沢山の呼ばれ方に
「薄(すすき)」

秋空のススキ

今回の歌も
萩が秋を代表する花ではありません。
尾花の先こそ、秋の風情があると詠っています。


万葉の時代、萩と同じように
「薄(すすき)」も愛でられていたのでしょうか。


秋風に揺れる“花すすき”を楽しみながら
近所を歩きます。


 


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   見上げれば 風の囁き はなすすき


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| | 10:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
蕎麦の花は白くて可愛い花
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   蕎麦の花 しらじら咲けり 山裾の



   朝日のさゝぬ  斜面の畑に (木下 利玄)



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秋の陽を受けて歩いていると
畑で、白い「そば(蕎麦)」の花が秋風に揺れています。

咲き揃う蕎麦の花

「そば(蕎麦)」の古名は“そばむぎ”と云われました。
現在使われている「そば(蕎麦)」は、“そばむぎ”を略したものです。



アジア北部の原産と云われ、
古来、朝鮮を経て日本へ伝えられました。
文献では続日本記には、
“夏の旱(ひでり)の後に、粟、蕎麦、大小麦を植えしめ給ふ”
との記述があります。



この時代はまだまだ、
農民が、飢えをしのぐ雑穀とされていたようです。



冷涼な土地でも栽培が可能で
痩せた土地でも収穫出来るところから
山地での栽培が多くみられます。



特に、信州では蕎麦栽培も盛んになり
“信州そば”は、全国的に有名です。



蕎麦は、夏に収穫する夏蕎麦と
秋に収穫する秋蕎麦の品種があります。



畑の「そば(蕎麦)」は、
緑の三角形の葉の間から、花茎を出して
可愛い小さな白い花を総状につけます。

可憐な蕎麦の花



その小さな白い花が満開になり
畑全体が、真っ白くなります。
秋の陽を受けて、白く咲く花は可憐で美しいものです。



しかし、その畑の白を、源氏の白旗と見て
敵地に迷い込んだと思った祖先が、
自害したと云う土地の人は、
蕎麦栽培を嫌っていたようです。



「そば(蕎麦)」として食べるようになったのは
江戸時代の頃からです。



現在では、「そば(蕎麦)」の成分が
血管の老化を防ぐルチンを多く含んでいるため
健康に良いと健康食になっています。



今回の歌は、
白く咲いている「そば(蕎麦)」の花が
陽もささない斜面の畑にも咲いている様子が詠われています。



ここ数年、山里ではない近所の畑でも、
「そば(蕎麦)」を栽培している畑が年々多くなっているようです。
お陰で、毎年「そば(蕎麦)」の花の散歩道が増えています。



 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   花蕎麦と 白競いあい 鰯雲



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