野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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秋海棠(しゅうかいどう)の花言葉は、片思い
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  秋海棠  西瓜の色に  咲きにけり  (芭蕉)



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朝夕の風は、
ほんのり涼しさを感じます。


暑さにかまけていたら
庭には、秋を迎える花が咲きだしました。

木蔭に咲く秋海棠

秋の花「秋海棠(しゅうかいどう)」
中国から渡来した花です。


この花が、中国から渡来したのは
17世紀の中頃とされています。


春に咲く“海棠”に似た花で、秋に咲くという意味を持つ花です。
しかし、春に咲く“海棠”とは別物で
ベコニア科の植物なのです。


晩夏から秋にかけて淡紅色の花を咲かせます。
花は、雌花と雄花が混生して咲きます。
雄花は、四弁で二弁が特に広く大きくなっています。

秋海棠の雄花

葉は、少し歪んだ卵型をしているところから
『片思い』という花言葉を持ちます。



「秋海棠(しゅうかいどう)」は、木陰の半日陰のような
ちょっと湿った所を好みます。


秋雨に濡れながら咲く「秋海棠(しゅうかいどう)」が
この花にとっては一番合うようで、
花びらが濡れて、半透明になったような紅色に
雨に濡れながら立つ美人を思わせます。


今年のように雨のない
晴れている日の、淡紅色の花。


季節の移り変わりを思い起こしながらも
なぜか、西瓜を連想させている今回の歌。


芭蕉が歌を詠んだこの時期も
暑かったのでしょうか。


この時期、もう少し雨に遭えば
もっと花色が鮮やかになるのでしょうに…


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   秋海棠 水汲みかけし 雨を待つ


 
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| 初秋 | 17:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「おしろいばな(白粉花)」は、花びらがない不思議な花
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   おしろいが 咲いて子供が 育つ露地  (菖蒲 あや)



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暑い日が続いています。
暑い日差しの中では、閉じている花。
太陽の光が少し弱くなる夕方に咲く花。


色づいている花、色づいた萼です。
この花は、花びらがない花です。


ちょっと不思議な花、「おしろいばな(白粉花)」です。
夕方に咲く所から、「夕化粧(ゆうげしょう)」とも言われます。
白花の白粉花

花が萎んで、萼の基部が黒く変色して種ができます。
その黒い種を指でつぶすと
白い粉が出てきます。


江戸時代には、おしろいとして代用していたとも言われ
この花の名前の由来にもなっています。


その白い粉は、子供の頃の遊びの格好の材料でした。
草むらの脇に道端にと、
色とりどりの花が咲いていたものでした。
桃色のおしろい花

庭に、ゴザを敷いて
ちゃぶ台を置き、
この花を集めて、色水を作り
種をつぶして、粉を取りままごと茶碗によそります。
種だけ集めて、お皿に盛ったりもしました。
ままごと遊びには、欠かせない花でした。


種を植えなくても
夏になると咲きだしていたようです。


この花が咲くと色々な遊びをしたので
咲いていると、つまんだりしたくなります。


今回の歌は、
道端に色とりどりに咲いている「おしろいばな(白粉花)」。


その花を摘みとっては遊ぶ子供達。
まだ、自動車も通らない路地裏で
遊んだ子供時代の情景が浮かぶ一句です。


 


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   あさひ受け 眩しうつむく 花白粉


 
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| 初秋 | 16:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
痛そうな「ままこのしりぬぐい」
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

  ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   とげとげの まま子の尻の ごひおもしろと


    吾子はひこずる   その長蔓を (若山 喜志子)


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朝夕の風が少し涼しさを増しているようです。


朝の涼しい風を感じながら
ちょっと足を延ばしての散歩。


沼地の傍に
可愛いピンクの蕾が、花を咲かせ始めています。


長い蔓の先には、可愛い花が咲いていますが
蔓をよく見ると、逆刺だらけです。
花開く継子の尻拭い
こんなに可憐な花ですが
名前は「ままこのしりぬぐい」です。



名前を聞いた時には
どうしてこんな名前を付けたのだろうと思いました。


継母が継子のお尻を拭いたのでしょうか。
“継子”に辛くあたるという話は、
よく涙するドラマなどに使われた題材です。
沼地に咲く継子の尻拭い
こんな、上から下まで刺だらけの蔓で
お尻を逆なでされたら、
ひとたまりもありません。
痛いというものではありません。
やってほしくない行為です。


現在では、自分の子への虐待という
考えられないような事件が起きています。
子育てをしていた時、順調ばかりではありませんでした。
しかし、周りの支えや子供の可愛さをを思うと
虐待は出来なかったような気がします。
それが、親になる第一歩だったのでしょう。


自分の子供ではなく、“継子”になると違うのでしょうか。
そんなに、“継子”が憎かったかと
花を見ながら、おもうのです。



逆刺だらけの「ままこのしりぬぐい」、
遠くから見たら可愛い花ですが、
いざ採ろうと思ったら
無数の刺が突き刺さってきますから注意して下さい。


今回の歌は、
この花の名前を聞き、
無邪気に花を取ろうとする情景を詠っています。
その後の
可愛い手に刺が刺さって、痛そうな情景も浮かんでしまいます。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
   草むらに 継子の花の  刺光り

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| 盛夏 | 15:58 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
暑さにのなか育つ「胡麻(ごま)」
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   夕風の さわさわ早稲の 穂の間(ひま)に


    はや咲きまじる  白胡麻のはな (北原 白秋)


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夏の暑さには、暑くてたまらない太陽ですが
これだけ陽がさすと
植物は、太陽の恵みを受け、育っています。


この暑い太陽が照りつける畑で
上へ上へと咲いている「胡麻(ごま)」の花。
夏の朝、咲きそろう胡麻の花
1メートルくらいの高さに伸びて
淡薄紫の花をつけ、乾燥には強い植物です。


私達の今の食卓に無くてはならない「胡麻(ごま)」。


栽培は、採油種子として古代から栽培されていました。
古代エジプトでは、“ごま油”が化粧顔料とされていました。
その他、“ごま”の種子が通貨としても用いられていたそうです。


日本でも縄文時代の遺跡から、種子が発掘されていますので
もうずいぶん前から、育て食べられてきた植物です。


原産地は南アフリカ地方、
日本には、中国から伝来したとされています。


「胡麻(ごま)」は漢名の字が当てらたとされています。
しかし、語源を研究された中村浩氏は
油の事を“ゴ”又は“ゴウ”と云ったので、“ゴマ”の“ゴ”は油のこと。
ちなみに、豆の油は“マメノゴ”と云っていました。
“ゴマ”の“マ”は、“実”ということで、種子を指していなのではないか。


“ゴマ”とは、“油を含んだ種子”という意味を持っているのだろうと…。
縄文時代から親しまれてきた事を考えると
漢名のまま呼ばれて、来たようではないように思えます。


文字では、延喜式に「胡麻(ごま)」の記載があります。
平安時代には、絞った油の料理の記載がありますから
「胡麻(ごま)」を絞って油として使われていた事が解ります。


日本の気候に合ったのかどうか
胡麻は、荒地でも高地でも高冷地でも栽培が容易で
各地で、またたく間に栽培されるようになっていきます。


「胡麻(ごま)」は、
油として食用として、更に漢方薬としても用いられてたようです。


種皮の色によって黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマに分けられます。
どの種類を取っても栄養的にはほとんど差がありませんが、
黒ゴマの皮の部分にタンニン系ポリフェノール色素を多く含んでいます。


沢山の栄養素を含んでいる「胡麻(ごま)」は、
抗酸化成分もあるといわれ、
今では、サプリメントも人気になっているようです。


落語のなかで、
貧乏人の所に客が来て、飯時になってしまう。
しかし米がない。
米がないと知られたくなかったので
女房が、台所で「胡麻(ごま)」をすり鉢に入れて摺り始める。
すり鉢から、“ごしごし”と音が立つ。
その音で、食事の支度をしているように見せかけるという筋書きです。


昔は、米よりも「胡麻(ごま)」の方が庶民は求め安かったのでしょうか。
現在の台所では
米はあっても「胡麻(ごま)」の方がないかもしれません。


現在私達が食べている「胡麻(ごま)」の
99パーセントが外国からの輸入になっているとか…。
ちょっと寂しい数字です。
国産の「胡麻(ごま)」は、道の駅だけでしか買えないのでしょうか。
淡紫色の胡麻の花

今回の歌は、
暑い夏も夕方になると
風も爽やかに吹きぬけていきます。
青い稲穂も垂れてきて風に揺れている向こうに
白胡麻の花も咲き始めたと
爽やかに咲く胡麻の花が、涼しそうです。


 


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   暑き朝 うつむきがちの 胡麻の花


 
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| 盛夏 | 22:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |


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