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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひでりつづき あまりに赤き 花見れば
夾竹桃も うるはしからず(尾山 篤二郎)
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陽射しが強くなる炎暑に咲く「夾竹桃(きょうちくとう)」。
夏に花が咲く、数少ない花木の一種です。
灼熱の太陽に負けないで
空に向って咲いている姿に力強さを感じます。
この名前の由来は、
葉が狭く、花が桃の花に似ている処からきています。
暑さに向って咲いている花。
猛暑・乾燥・洪水など
どれをとっても強い植物といわれる「夾竹桃(きょうちくとう)」。
インドから地中海にかけて、数種自生しています。
海辺に、似合う植物です。
海岸沿いには、よく植えられています。
日本へは、江戸時代の頃
インドから中国を経て渡来してきました。
日本では、高度成長期を過ぎた頃
排ガスなどの公害に強いと云うことで
交通量の多い道路の街路樹などに多く植えられました。
そんなことで、海辺などに植えられていたものが
街中でよく見られるようになってきたのです。
その為か、あまり鑑賞される花木と思はれてないようです。
大気汚染に強い木と云う認識の方が強いかもしれません。。
もう一つ避けられていることとして「夾竹桃(きょうちくとう)」には、
有毒な成分があることです。
古くから、その根を使い麻酔などと用いてきたようです。
仏典には、「夾竹桃(きょうちくとう)」の花輪を悪人にかぶせたり
死者の顔を覆うのに使用されたとされています。
その為、中国では最初は、
主に寺院に植えられていたようです。
こういった事柄から
「夾竹桃(きょうちくとう)」を好まない人も多くいるようです。
今回の歌もそんな思いを詠んでいるようです。
暑いさなか、空に向って咲いている花。
赤い色の花も、きれいと思えない程の暑さを感じさせます。
今年の暑さも厳しいようです。
暑さに負けずに、夏を乗り切りましょう。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
夕立に 夾竹桃の 紅ゆらぐ
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
夏草や 兵どもが 夢の跡(芭蕉)
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梅雨の雨の間
気温も高くなり
廻りの空き地の草は、一段と草丈が高くなっています。
緑の草原が広がっているようです。
私が住んでいる近所の空き地にも草が茂っています。
その空き地にはえている草は殆どが外来種です。
明治以降からの外来種が多くなっています。
万葉集にも、草を詠んだ歌は多くあります。
道端にはびこる草は
古の時代からも生えていたのでしょう。
その夏草が、あたり一面緑になって
その青々した情景は目にしみいるようだったのかも知れません。
今の関東平野の空き地には、
ヨモギ・アカザ・ブタクサ・アレチノギク・セイタカアワダチソウ…など
数え上げたらきりがない程多くの種類の草が生えています。
きれいな花でも、はびこりすぎると
草と認識されてしまうものも出てきています。
近年の外来種の草の多くは
草丈もぐっと伸びて高くなっているようです。
そんな影響があるのでしょうか、
子供の頃に駆け巡った土手の道。田んぼに続く道。
毎年、草丈深くなっているような気がします。
植物だけではなく
夏休みの子どもたちに人気のある昆虫採集。
カブトムシやクワガタなども、輸入が増えています。
その為、今まで日本に見られなかった種類も登場しているようです。
夏休み前のこの時期に
購入した外来種の虫たちは、
外で放さないようにと、テレビのニュースで流れていました。
今までの生態系に、外来の物が入っての結果は
すぐに答えの出るものではありませんから
今生きている私たちが、注意していかなくてはいけないことだと思います。
今回の有名な芭蕉の句、
芭蕉が詠んだ時の夏草は
どんな草が生えていたのでしょうか。
今はどんどん伸びる草を見ていると
この句が浮かびます。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
背伸びして 夏草わけて 球拾う
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一重の白き 花を楽しむ(北原 白秋)
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夏に、朝から咲く花に「木槿(むくげ)」があります。
梅雨の頃から、真夏まで、夏いっぱい咲き続けます。
花期は長いのに、この花は朝開いて、夕方にはしぼんでしまう一日花です。
「木槿(むくげ)」の原産地は不明ですが
中国で栽培がはじまり、日本には平安時代に渡来しました。
“和名類聚抄”には、「きはちす」とあります。
朝開いて、夕方しぼむ習性から
万葉集の中の、山上憶良は秋の七草のひとつとした“あさがお”は
このを指すと解釈されていた時期もありました。
しかし、花の習性などを観察して
“槿花一朝の栄というけれど、この花は朝ばかりではなく終日の栄。
すなわち、槿花終日の栄で、一日中咲いている「木槿(むくげ)」を
“あさがお”というのは不穏当”と牧野富太郎博士も書かれています。
“槿花一日の栄”というのは、中国の格言のなかにあります。
白楽天の詩からでた言葉で、
朝開き夕べにしぼむ「木槿(むくげ)」の花をみて
人の世の栄華が短いことを譬えたものです。
又、韓国では、「木槿(むくげ)」が国花となっています。
韓国名は“無窮花(ムグンファ)”。
花を見ると短命な花ですが次々と咲き続けるところから、
韓国では、永久の花とされています。
中国名は“木槿(もくきん)”と呼ばれ
韓国名は“無窮花(ムグンファ)”。
日本では、「木槿(むくげ)」と呼ばれるようになったのは
“木槿(もくきん)”が転化したとされていますが
韓国の影響もありそうです。
それぞれの国で、育まれている花ともいえます。
日本では、
夏の木に咲く花はあまりありませんから
育てやすさと共に人気があるようで
庭木として多くの庭に見られます。
朝、日が昇る前には咲いている「木槿(むくげ)」の花。
毎日毎日、咲く花を楽しむ様子を詠っている今回の歌です。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
白木槿 日暮れ雨やみ 露落ちる
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
杜若(かきつばた) 左紀沼(ぬ)の菅を 笠に縫ひ
着む日を待つに 年ぞ経にける (万葉集)
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木陰の風が、蒸し暑さを少し和らげています。
梅雨の時期、雨に濡れて
木々の緑は、ますます鮮やかになっています。
田植えの終わった田んぼのあぜ道に
草が生えています。
その草の勢いは、目を見張るものがあります。
丈のある草というと、
“茅(かや)”と“菅(すげ)”に分けられます。
“茅(かや)”というと主にススキなどのイネ科の野草の総称です。
“菅(すげ)”は、カヤツリグサ科の野草の総称です。
日本では、昔から“菅(すげ)”が多く生えていたのでしょう。
そんな“すげ”や“やますげ”を詠んだ歌が
万葉集に多く見られます。
古来から刈っても刈っても
めげずに生える草たち。
古来では、そんな“菅(すげ)”を
摘んできて編んで、笠や蓑ばかりではなく
“菅枕(すげまくら)”や“菅畳(すげたたみ)”として
生活の中に使われていたようです。
又、仁徳天皇の八田の若郎女を一本菅の歌にも見られるように
“菅(すげ)”を女性になぞられた歌が多く見られます。
風にそよぎ、たおやかになびく姿から
女性を連想したのでしょうか。
今回の歌も
沼に生える“菅(すげ)”で笠を作っていた様子がわかるだけでなく
“菅(すげ)”を女性に見立てて
彼女と一緒になる日を夢見ていたのに
歳をとってしまったと詠っています。
道端や河川で、多く生えている“菅草”。
今の生活の中で、使えないものでしょうか。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
雨降りて すげ草茂り 道狭む
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