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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
紫は こまやかなれや 日はたけて
草生にまじる うつぼ草の花 (藤沢古実)
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梅雨入りして蒸し暑い日が続いています。
ちょっと足を延ばして林を歩くと
円柱形の花穂に、紫色の唇型花の花が咲きだしています。
草の間から、大きな花穂が出て
風に揺れる紫色の花が、
少し蒸し暑さを和らげてくれるようです。
この花穂が、弓矢を入れる“うつぼ”に似ていることから
「靫草(うつぼくさ)」と呼ばれています。
一段に6つの唇型花が下から咲きだし
だんだん上に咲き揃い
10段位の花が咲き揃う時もあるようです。
子どもの頃は、
道端の草むらの中にも、咲いていましたが
今では、ちょっと足を延ばさないと見つけられません。
草むらの草丈よりちょっと背が高く
紫色の小さな花が集まる「靫草(うつぼくさ)」。
冬至の頃に芽を出して、花が咲きおわり
夏になると花穂が立ったまま枯れてくるところから
「夏枯草(かこそう)」とも呼ばれています。
その枯れて茶色くなった花穂は、摘み取られ
漢方として、利尿剤などに用いられ重用されてきました。
小さな若苗を採って
ゴマ和え、辛子和え、油いため、揚げものなどの
食用にもされていました。
今回の歌は、
紫のやさしく咲いている「靫草(うつぼくさ)」の花、
そのうちに、草にまじって「夏枯草(かこそう)」と
呼ばれる様子が詠われています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
梅雨晴れ間 夏草と競う うつぼ草
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
梅雨に入る その日雨降り 火の如き
柘榴の花も しめりてありぬ (金子 薫園)
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関東も梅雨入りです。
今年も同じ季節が到来しました。
緑の葉が覆う中に、彩やかな紅い花が開いています。
漢名では“若榴(じゃくりゅう)”。これががなまって
“じゃくろ”から由来する「柘榴(ざくろ)」。
果物といわれても知らない人も多いのではないでしょうか。
庭木としての人気は高く
今の時期、庭の一角の緑のなかに鮮やか花が咲いています。
西漢の時代“塗林”からもたらされたといわれます。
“塗林”とは、“イランのタウリア”だとされています。
シルクロードの彼方からもたらされた
異邦の地の果実「柘榴(ざくろ)」は古代中国では珍しい物でした。
原産地は、イランからアフガニスタン地方で
エジプトからヨーロッパそして中国へと広がっていきました。
日本へは、平安時代に入って来たようで
“本草和名”では“さくろ”となっています。
今の季節、花が目立ちますが
秋になると、大きく熟した果皮が裂けて
種子一粒ずつを包んでいる種皮が見られます。
この多くの種皮を持つ果実。
メソポタミアでは豊穣と権威のシンボルとなっていました。
又、ソロモン王の宮殿の柱頭の飾りや
ツタンカーメン王の墓の文様にも使われています。
子授け、安産、子育ての神として祀られ知られる鬼子母神。
鬼子母神に祀られる、訶梨帝母の像は
天女のような姿をして、子供を1人抱き、
右手には吉祥果「柘榴(ざくろ)」を持っています。
数年前には、この「柘榴(ざくろ)」は
女性の更年期障害などに対する効能があると
日本の物と比べ、数倍大きな輸入物が多く見られました。
その時は、もてはやされましたが
種子の周りについている種皮、ジューシーな果肉。
好きな人にとっては、
口の中でかみしめるあのちょっと苦いような甘さの味はたまらないとか。
甘い果汁の後に残る種。
種皮の小さな粒故の食べにくさもあるのでしょうか。
私のまわりにも、好んで食べる人はあまり多くありません。
今回の歌は
梅雨のうっとうしい雨の中で
燃えそうな紅い柘榴の花も濡れてしまっているのだろうと詠っています。
雨の中、柘榴の花がじっと咲いています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
葉の陰で 降る雨しのぎ 花ざくろ
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どくだみや 真昼の闇に 白十字 (茅舎)
名前を聞いただけで眉をひそめられる「どくだみ」。
雑草として、庭にあると一番に引き抜かれます。
住宅地の中でも
木の下など日当たりの良くないところに群生しています。
木の根元の薄暗がりの中に咲く「どくだみ」は
白い十字型の苞を開き
その中央に、雄しべと雌しべだけの穂を立てます。
純白な花びらではなく、苞の上が花になるのです。
純白の十字の苞の上に伸びる「どくだみ」は
爽やかさも可憐さも感じさせます。
そして、一度根づくと
季節になると、どこからともなく生えてきます。
繁殖力は旺盛で、絶やすのは大変な労力を必要とします。
“デカノイルアセトアルデヒド”という成分です。
この成分は、白癬菌やブドウ球菌なども目をまわすそうです。
しかし、この成分は、乾燥させると臭いはなくなります。
乾燥させると、臭いはなくなります。
胃腸を丈夫にしたり、高血圧の予防になったりします。
生の「どくだみ」の葉なども昔から虫刺されなどに使われてきました。
毒消しや解熱、動脈硬化予防、など多くの薬効があります。
その為に、「どくだみ」の別名は“十薬”とされています。
おひたしにしたり天ぷらなど、
熱を加えても臭いはなくなります。
臭い故に敬遠されがちですが
うっとうしい梅雨の頃に
木の根元に群生する、純白十字の「どくだみ」は可憐さがあります。
そんな情景を好む人も増えているようです。
梅雨の頃に咲く「どくだみ」の趣を現わしています。
どくだみを 避けて紐引く 散歩道
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