一定期間更新がないため広告を表示しています
━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一つ松 幾代か経(へ)ぬる 吹く風の
音の清きは 年深みかも (万葉集)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本の重要な行事はお正月。
お正月の7日間は「松の内」といいます。
門松をたてたり、松を飾って正月を迎えます。
新年を迎える時に、「松」を飾るのは
歳神様を迎えるための依代とされていたからだと言われています。
ふつうの人には神が見えません。
その神を身辺に呼ぶには、目印となる依代が必要なのです。
古には、常緑のものでしたら何でもよい時もあったようですが
いつのころからか、「松」になってきました。
今は、晴れの新年を迎えるには
「松」が飾られています。
日本古来から日本には「松」が多く
美しい自然を形成をした「松」は、
人々の目に触れることが多かったのでしょう。
そのため、「松」は
古来から文学にも多くの題材になっています。
最初に文学として出てくるのは古事記です。
万葉集にも79首という多くの歌が詠まれ
他の文学作品にも、多く描かれています。
正倉院宝物のひとつ「鳥毛立女」の屏風絵の背景として
松が描かれています。
そして、正月を迎える松立て行事などから
「松囃子」が、室町時代には上流でさかんに行われました。
この「松囃子」は、能と同じ起源をもつと言われています。
能の舞台には、見事な老松が描かれ
橋掛かりには、三本の松がしつらえられます。
日本で育まれた能の世界。
能の表現は、現実と夢の世界を表現します。
その表現には、神の依代であろう老松の背景が
一番合っているのかもしれません。
今回の万葉の歌は
この松は、どのくらい経ているのであろうか。
松を吹く風が、
清澄なのは多くの年月が経っているからであろうと詠っています。
今年の年神様を迎え
誓いを新たに新年を迎えました。
良き年になるといいですね。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
陽だまりの 風の冷たき 松の内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
応援ありがとうございます!
にほんブログ村★応援ありがとう!
本日にて「松の内」も最後ですよね〜。
本年もよろしくお願い致します。