野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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秋の七草の葛の花
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う


 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  見しひとも なき山里の 岩がきに



   心ながくも はへる葛かな(紫式部)



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赤紫の花弁の穂が秋風に揺れています。
大きな木に絡みつき咲く「葛(くず)」の花。
いつもより、雨も多いこの頃では
葉も大きめになって道路までも蔓が伸びています。

葉影に咲く葛の花



土手や荒地に
わがもの顔にはびこる勢いは
目を見張るものがあります。



秋の気配が漂う時期に高々と咲く
「葛(くず)」の花。
マメ科の植物と同じような花は、
香りもよく、古代色の花びらは
優雅さを漂わせます。
そんなところから、
山上憶良は、秋の七草の一つに選んでいます。



葉も蔓も
茶褐色のかたい毛をもち
他の植物を寄せ付けないで大きくなっています。
大きな葉を、大きな木に絡ませ
瀕死の状態にしてしまう程の勢いを見せます。



帰化植物が多い中で
この「葛(くず)」は、海外へ渡って増え続けている植物の一つです。



100年程前アメリカでも、
砂漠化を防ぐ緑化植物として植えられました。
しかし、どこまでもはびこる
その勢力のすさまじさから
今では、困っているようです。

赤紫色の葛の花



古来からある日本では、から
大きく育った根は貴重なものとされてきました。



根からは取り出した葛粉は、
料理に使われてきました。
又、薬用として“葛根湯”として使われたりと、
私達の生活に役立つ植物として根を張ってきました。



今回の歌は、
「葛(くず)」は、その昔平安の頃も、
根を張り広がっていたのかと思わせます。




━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  見渡せば 首をもたげる 葛の花  



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| 初秋 | 14:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
花びらがない「仙人草(せんにんそう)」
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う



 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




   仙人の  鬘ならなく  花白し  (一水)




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雨が少ない今年の関東です。



乾燥しているせいか
夏の枯葉が目立つ林の中で
真っ白なベールに包まれたような一角がありました。



遠くから見ると
なんじゃもんじゃを思わせるように、一帯が白くなっています。



近づいてみると
この季節には、めずらしい花付きで
周りの木の上を、白い花で覆っていました。
どこまでも伸びる仙人草

帰宅して、花の名前を調べました。
花の雰囲気から、思いも浮かばない
「仙人草(せんにんそう)」でした。



この「仙人草(せんにんそう)」は、蔓性ですから
もくもくと木の頂上まで蔓を這わせ
緑の上を白く縁取っています。



白くて繊細なこの花。
花びらと思う十字の4弁は、
萼が、花びら化しています。
花びらがない「仙人草(せんにんそう)」です。



花が終わったあとに
雄しべの花柱が伸びて、それに密生して白く長い毛が出てくるそうです。
その白くて長い毛が、“仙人”の白髪頭や髭を連想させるから
「仙人草(せんにんそう)」なんだとか。

花弁がない仙人草



今回の歌、花の名前とは思いもかけないような白い花と詠んでいます。




この花のなまえの由来を確認する為に、
花が終わったあとに、伸びる白い髭。
“仙人”の髭を 是非見に行きたいとおもいます。



この「仙人草(せんにんそう)」は、有毒植物なのだそうです。
茎葉を噛むと、歯がこぼれてしまうところから
“歯こぼれ草”“歯かけ草”という別名も。



また、汁が皮膚に触れると、湿疹や水ぶくれを起こします。
ちょっと気をつけなくてはいけません。



この成分が薬効にもなっていて、漢方等に使われています。



初夏を思わせる花ですが
この花が満開になると、秋も深まっていくようです。



 



 




━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   
  巻きつけて あてなくのびる 仙人草



 
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| 初秋 | 15:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
面白い由来の「へちま(糸瓜)」
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  わが家の はひりにからむ 糸瓜蔓


  果(み)となる花は   大きく咲けり (鹿児島 寿蔵)



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秋を迎える今、夏の畑を思い起こさせるように
咲いているウリ科の「へちま(糸瓜)」。


「へちま(糸瓜)」の花は、元気に大きな花を咲かせています。
この暑さでも、次々と元気に咲く花の下で
果実も大きくなっています。
暑さに負けず咲くへちま
この「へちま」、江戸時代に渡来しました。


「へちま(糸瓜)」の果肉のなかは、繊維質です。
その繊維質から、“糸瓜(いとうり)”と呼ばれていました。


“いとうり”の“い”が抜けて
“とうり”と呼ばれるようになります。


“とうり”の“と”は
イロハニホヘトチリ…の並びの
“へ”“チ”の間なので
“へち間”になったと云われています。


ちょっと、落語を聞いているような由来になっています。


沖縄では、“なべら”と呼ばれています。
これは、“なべあらい(鍋洗い)”に由来すると云う説もあります。


こんなに名前が変化するのは
それだけ私達の生活によく使われてきた植物
ともいえる証なのかもしれません。


若い果実は、食用にされ
大きくなった果実の果肉には
網目状の強靭な繊維があり、この繊維を取って、
へちま製のたわしが作られていました。
昔は、このへちま製のたわしを垢すりとして愛用していました。


「へちま」の垢すりを見るたびに思うのは、
子供の頃、祖母と入るお風呂です。


へちまの垢すりで、
しっかり背中を流された思いがあります。
背中は、赤くなってちょっと滲みるようなヒリヒリ感。
負けずに、祖母の背中を垢すりでゴシゴシと…


子供の頃は、大人と一緒に入ると
いつも背中をゴシゴシと流しあっていた記憶があります。
背中を流され、流してましたが
ここのところそんな経験がなくなっています。


その他に、「へちま」から採れる“へちま水”は
古来から、肌をすべすべにする化粧水でした。
今でも愛用されている方も多いのではないでしょうか。


また、痰をきる咳止め薬としても使われていました。
正岡子規絶筆となった俳句にも
「痰一寸 糸瓜の水も 間に合はず」と詠まれています。
俳句に「へちま」が描写されている事から
正岡子規の命日は「へちま忌」と呼ばれています。
垣根に咲くへちま
今でも、あちらこちらの生け垣に
へちまを育てている家庭も多く見られます。


門を入ると、「へちま」の蔓が絡み
大きな黄色い花を咲かせている様子を詠っている今回の歌です。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   炎天の 長月に咲く 糸瓜花


 
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| 初秋 | 14:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
秋海棠(しゅうかいどう)の花言葉は、片思い
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



  秋海棠  西瓜の色に  咲きにけり  (芭蕉)



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朝夕の風は、
ほんのり涼しさを感じます。


暑さにかまけていたら
庭には、秋を迎える花が咲きだしました。

木蔭に咲く秋海棠

秋の花「秋海棠(しゅうかいどう)」
中国から渡来した花です。


この花が、中国から渡来したのは
17世紀の中頃とされています。


春に咲く“海棠”に似た花で、秋に咲くという意味を持つ花です。
しかし、春に咲く“海棠”とは別物で
ベコニア科の植物なのです。


晩夏から秋にかけて淡紅色の花を咲かせます。
花は、雌花と雄花が混生して咲きます。
雄花は、四弁で二弁が特に広く大きくなっています。

秋海棠の雄花

葉は、少し歪んだ卵型をしているところから
『片思い』という花言葉を持ちます。



「秋海棠(しゅうかいどう)」は、木陰の半日陰のような
ちょっと湿った所を好みます。


秋雨に濡れながら咲く「秋海棠(しゅうかいどう)」が
この花にとっては一番合うようで、
花びらが濡れて、半透明になったような紅色に
雨に濡れながら立つ美人を思わせます。


今年のように雨のない
晴れている日の、淡紅色の花。


季節の移り変わりを思い起こしながらも
なぜか、西瓜を連想させている今回の歌。


芭蕉が歌を詠んだこの時期も
暑かったのでしょうか。


この時期、もう少し雨に遭えば
もっと花色が鮮やかになるのでしょうに…


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   秋海棠 水汲みかけし 雨を待つ


 
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| 初秋 | 17:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「おしろいばな(白粉花)」は、花びらがない不思議な花
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



   おしろいが 咲いて子供が 育つ露地  (菖蒲 あや)



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暑い日が続いています。
暑い日差しの中では、閉じている花。
太陽の光が少し弱くなる夕方に咲く花。


色づいている花、色づいた萼です。
この花は、花びらがない花です。


ちょっと不思議な花、「おしろいばな(白粉花)」です。
夕方に咲く所から、「夕化粧(ゆうげしょう)」とも言われます。
白花の白粉花

花が萎んで、萼の基部が黒く変色して種ができます。
その黒い種を指でつぶすと
白い粉が出てきます。


江戸時代には、おしろいとして代用していたとも言われ
この花の名前の由来にもなっています。


その白い粉は、子供の頃の遊びの格好の材料でした。
草むらの脇に道端にと、
色とりどりの花が咲いていたものでした。
桃色のおしろい花

庭に、ゴザを敷いて
ちゃぶ台を置き、
この花を集めて、色水を作り
種をつぶして、粉を取りままごと茶碗によそります。
種だけ集めて、お皿に盛ったりもしました。
ままごと遊びには、欠かせない花でした。


種を植えなくても
夏になると咲きだしていたようです。


この花が咲くと色々な遊びをしたので
咲いていると、つまんだりしたくなります。


今回の歌は、
道端に色とりどりに咲いている「おしろいばな(白粉花)」。


その花を摘みとっては遊ぶ子供達。
まだ、自動車も通らない路地裏で
遊んだ子供時代の情景が浮かぶ一句です。


 


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   
   あさひ受け 眩しうつむく 花白粉


 
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| 初秋 | 16:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |


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