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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
杜鵑草 黄なるを見れば 物干しに
時雨の雨は ぬれつつぞ降る (土屋 文明)
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ビロードで覆われたような「杜鵑草(ホトトギス)」の花。
なんとも渋い花です。
林の中や、山道に咲いていると趣があります。
そんなところが、茶花に好まれて
お寺の境内などにも植えられています。
「杜鵑草(ホトトギス)」の由来は、
花弁と花柱が同じ紫斑になっていて
その基に黄斑があります。
それが、ホトトギスの胸斑に似ているところから
「杜鵑草(ホトトギス)」と言われたとされています。
そして、その容姿から
山道にあるものを“ヤマジノホトトギス”
山地に生えるものを“ヤマホトトギス”
矮性のものを“チャボホトトギス”
などと名付けられています。
日本が原産とされて、JUGEMテーマ:野花と草木を詠う
中国や韓国や台湾などで、19種確認されています。
そのうち10種が日本固有のものです。
その10種のうち地域固有種などは、
開発のための造成工事や盗掘もあり、
絶滅が心配されている種もあるようです。
日本では「杜鵑草(ホトトギス)」と言われている花が、
中国では、葉の黒点から“油点草”
英名は、“トード・リリー”と名付けられています。
ちなみに“トード”は、ヒキガエルという意味。
見かたによっての違いが、面白いです。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うそ寒し 陽に花開く 杜鵑草
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
言問はぬ 木すら春咲き 秋づけば
もみち散らくは 常を無みこそ (万葉集)
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朝の冷たさが、なんだか急に増してきて
そこここの木々が
色づいています。
散歩の途中で見上げた
桜の木もきれいな色になり
道端も染めています。
秋になると“紅葉”として
現在では“紅”の字を書いています。
歌が詠われた万葉の頃は
“黄葉”を当てていたようです。
万葉集に詠まれている植物に“萩”があります。
萩などは、花が終わり秋が深まると葉は“黄葉”してきます。
それを、
「もみち(毛美知)」や「もみち(黄葉)」と使われています。
「もみち(紅葉)」の例は、数多くありません。
古の秋の風景は、“黄葉”が映えていたのだと云われています。
もう少し時代を経ると
中国からの“楓”もやってきて
“紅葉”が称揚されるようになります。
春の花が、愛でられ歌が作られたように
秋の“黄葉”も多く詠われています。
さくらの花に、豊年を願い、秋の収穫を祝う。
それが、花見となり、紅葉狩りなどの行事として
今でもその風習は私達も楽しんでいます。
今回の歌は、
物を云わない木でさえも
春は花咲き
秋になると、もみじが散る。
世の無常を詠っています。
さくらの色づいた葉を見て、ふと浮かんだ歌です。
この葉が散ってしまうと冬ですね。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
音もなく さくらもみじが はらはらと
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今年もまた 冬近づきて つわぶきの
花にさす日の 光(かげ)弱るかも (伊藤左千夫)
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そろそろ霜の季節になろうとする頃に
庭先のつやつやした葉の間から
黄色い花が咲きだします。
“ふき”に似た葉をもつ植物。
ちょっと厚みのある葉は
冬でも艶々としています。
そのため、葉に艶があるので、“艶ふき”から
「つわぶき」になったと云われてます。
冬に向う時に咲く黄色い花の「つわぶき」。
季節のせいか、
その黄色がちょっと憂いを含んでいるように見えます。
日本原産のこの植物は
海岸で良く見られるそうですが
日陰にも強いためか
関東地方でも、庭先に植えられています。
春の“ふき”と同じように、
葉柄は、茹でてあく抜きした後
醤油で煮て、きゃらぶきを作ります。
春の“ふき”よりも
歯ごたえがあるようです。
艶々した葉は、
火であぶってもんで柔らかくして
腫れものの湿布として使い
膿を吸い出させるのに使っていました。
散歩をしながら良く見る「つわぶき」の花。
庭先に多く見られるのは
晩秋の花を見るだけではなく
有用な植物のせいかもしれません。
今回の歌は
今の時期に花咲く「つわぶき」。
この花が咲くと、冬の季節が近づいてくる様子を詠っています。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そこここの つわぶきの花 影薄く
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うめもどき 或人に花を 問はれたり (白雄)
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霜が降りる頃になると
庭先の紅い実がますます冴えてきます。
今回は、紅い実の「うめもどき(梅擬)」。
もともと、山の中の湿地に生育してましたが
冬に向けてのこの時期、
紅い実が美しいので、
庭木や盆栽として人気があります。
秋には
緑の葉と、紅い実とのコントラストも楽しめます。
そして、冬に向い一段と冷え込むと、落葉してきます。
落葉してから更に寒さが増すにつれて
紅い実の色が冴えてくるので
「落霜紅」という名もついています。
「うめもどき(梅擬)」の他、
“桜草擬”“橘擬”などの名前がついていますが
ちょっと似ているけれど、ニセ物臭いという意味です。
「うめもどき(梅擬)」は、
枝ぶりや実の付き方が
梅に似ているというところからきているようです。
紅い実のほかに、
白い実の、“白梅擬”などもあります。
梅は、花が注目を浴びるのに
6月頃開花する淡紫色の花は、
その小さな花のせいかどうかはわかりませんが
見過ごされやすいようです。
今回の歌は、
紅い実にくらべて
見過ごされている花を詠っています。
「うめもどき(梅擬)」の花、
あまり記憶にないような気がします。
━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
葉影から 紅鮮やかに うめもどき
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