野花や草木の散歩道で一句

道端の野花、そして草や木。
どこにでも咲いている道端の可憐なお花。
古の歌から生い立ちを辿り、草木たちの古を思い浮かべながら
草花や木々を眺めてみませんか。
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籾の種漬けの時を知らせる、たねつけ花
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  苗代の 畦にすがれし たねつけ花


   踏みつつ吾は  かすみ網はる(酒井良一)


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さくらが咲いて
春の気温になると、そろそろ農作業も忙しくなります。


足元には、「たねつけばな(種漬花)」が目立ってきます。
白い4弁の十字の花をのアブラナ科の植物です。


田んぼ、溝、水辺などの湿地を好んで生えています。
日本全国、どこにでもみられる草でしょうか。

風に揺れるたねつけ花

農家の人が、籾種を水を付ける頃に咲くので、
籾の種漬けの時というところから
「たねつけばな(種漬花)」と云われています。


いつから伝来したかはわかりませんが
中国での漢名は“砕米薺”で、野菜譜にでてきます。


春大きくなった
「たねつけばな(種漬花)」の葉を
胡麻和えにして食べるとおいしいとか。

4弁の花が開くたねつけ花

江戸の文政のころから天保時代にできたといわれる
愛媛を代表する民謡の伊予節の一節に
“高井の里のていれぎや”とでてきます。


この聞きなれない“テイレギ”は、
“オオタネツケバナ”です。
たねつけ花より、先の葉が大きくなっているもので
刺身などのあしらい使われていて、
松山名物になっています。


松山出身の、正岡子規も好んでいたようです。
松山名物の“テイレギ”食べてみたいものです。


この「たねつけばな(種漬花)」を知ってから
道端の花が目立つようになると
農家の人達も忙しくなって来るのかと眺めています。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  春風と 種漬け花に 耕を知る


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つぼみが開くさくら
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━

 さまざまの 事をおもひだす 桜かな(芭蕉)

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“サイタ
 サイタ
 サクラガサイタ”
戦前の教科書で、最初に出会う文でした。

私達が開花を待つ“さくら”は、
江戸時代に
多くの園芸種が育成された、“ソメイヨシノ”です。
オオシマザクラとエドヒガンサクラの雑種。
明治以降、さかんに植えられ、
春のさくら情景を描いています。

開花は、東京・靖国神社の
“ソメイヨシノ”の開花が基準となっています。

おおきく膨らんだ蕾

一番早い年には、3月20日ごろ、
遅い年には、4月7日ごろとなっています。

かたい緑の木の芽が
少しずつ色づいてきて
薄紅色の蕾が、大きくなってきます。

木が色づいて来ると、一つ一つと花開きます。
春の花は、先ず花が咲いて花色で木を彩ります。
桜色で染まった華やかな桜並木。

“さくら”が咲いたと言うだけで
なんだか心が弾んでくるようです。

今年は、震災もあり
いつもの桜の下の饗宴に賛否両論があるようです。

そんな社会情勢を察していたのでしょうか
桜の開花も
ちょっと遅くなっているようです。

関東でもやっとちらほらと開花しています。

開き始めたさくら

今年の“さくら”の花は
いろいろな思いを持って見る人が多いかも知れません。

さくら前線が動き出していきます。

 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━

  見上げつつ 指折り数え 花桜

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人懐かしく生える「なずな(薺)」
JUGEMテーマ:野花と草木を詠う

今回の東日本大地震の 被災地の方々には
心よりお見舞い申し上げます。


━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  よく見れば 薺花咲く 垣根かな (芭蕉)


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どこの草むらにもある「なずな(薺)」
人に息づかいのするところに生えているようです。
人の気配のない、山奥などには見られません。
人のいる、畑、道端、空き地などに生えています。


そんな人懐かしく生える「なずな(薺)」ですが、
先ず、刈り取られる草になっています。


今は、見向きもされない草になっていますが、
古来は、春の七草の代表として
早春、萌え出てきた葉を摘む、野菜でした。


春の七草は、目で楽しむ秋の七草と違って
健康を祈る薬用植物でしたから
薬草としても利用されていました。

ぐんぐん伸びる薺

「なずな(薺)」の語源は、“撫で菜”とも言われますが
古い朝鮮語の“ナジ”からとも言われ
今でも韓国では、なずな料理があるようです。


「なずな(薺)」は、アブラナ科の二年草です。
白い小さな十字花をつけ、
どんどん伸びてくると、花の下に
三角形を逆さまにしたような果実がつけます。


子供の頃、草むらの中から
三角形の果実を沢山つけた「なずな(薺)」を摘んで
振って鳴らして遊んでいました。


その果実が、三味線のバチに似ているところから
“ぺんぺん草”ともいわれていました。


“ぺんぺん草が生えている”と言うと
人が近寄らない寂しい表現に使われることが多くなっています。


ちょっと人気のない「なずな(薺)」ですが
炭酸ガスなどの汚染物質を吸収して
土に還してくれる働きを持つとも言われています。
草として追いやられてしまう植物ですが
ちょっと見直しても良い植物かもしれません。


大震災の後の
海水がさらっていった土地に
一番先に生えてくるのは、
人懐かしく生えてくる「なずな(薺)」かもしれません。


 


━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  薺花 幼き頃の 音を聞き


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すはま草とも呼ばれる雪割草
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━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  寒しと言ひて 心ひがめる わがまへに
   
  目をみはりたる  雪割草の花 
(若山 貴志子)


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春になって
白く積っていた雪どけ直後に開くところから
「ゆきわりそう(雪割草)」と言われています。

春一番の雪割草

厚みのある緑の葉が、
寒さを守ってくれていたように見えます。
その中から、細い柄を伸ばして咲きだします。


葉の先が尖らずに丸くなって、
まるで洲浜形になっているところから
「すはまそう(洲浜草)」とも言われています。


“洲浜”と言うのは、
板を海浜の洲に似せた物を作り、
その上に、岩木花鳥を飾ったもの。
昔、“洲浜”は、酒宴の席に置かれていました。


ちなみに、「すはまそう(洲浜草)」より葉の先が、
尖っているのは“みすみそう(三角草)”と言われます。


この「ゆきわりそう(雪割草)」は、キンポウゲ科です。


高山植物で、サクラソウ科の“雪割草”もあります。
“雪割草”として、どちらを頭に思い浮かべたでしょうか。


春を待ちわびていたかのように咲くこの花。
中心に多数の雄しべと雌しべをがあります。
この雄しべと雌しべを
白い花びら状のがくが囲んでいます。

花弁のない雪割草

ですから、この花は、花びらはありません。
花びらのない可憐な花です。


今回の歌は、
寒いと、閉じこもってしまっていたのに
見れば雪割草の花が咲きだして、
春の到来に驚いている様を詠っています。


 



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  春の日を 待ち受け開く 雪割草


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杉の花の花粉が飛びだしそう
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 ━━━ 今日の歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  杉の花 こぼれて染めぬ 開山堂 (青木 月斗)


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散歩していて、ふと上を見上げると
雄花を重そうにつけている「杉(すぎ)」の花。
いつもの年だったら
雌花を見つけられるのに
今年は違います。
雄花だけがびっしりとついています。



「杉(すぎ)」の意味は、
“まっ直ぐの木、すくすくと伸びる木”です。


「杉(すぎ)」は古事記の中で
須佐之男の命が大蛇退治の場面に
“その目は赤加賀智の如くして、身一つに八頭八尾有り。
亦其の身にこけと檜杉と生ひ…”と出てきます。


背が高く伸びた木は
住宅用に使われる大切な木。
日本の木造家屋では、
住宅用材として、一番使われています。
酒樽などにも使われています。


葉は線香の材料にもなって、
私達の生活には欠かせない木の一つです。


屋久島の縄文杉があるように
古の頃から杉は植えられていました。
近年は、植林も多くされてきました。


雄花の蕾が開いて
薄黄色の花粉が飛び始め
遠くまで運ばれていきます。
花粉症の症状が出てくる季節です。


古くから植えられてきた木ですが
花粉症の症状が、
話題になって来るのは戦後のようです。


それまでも
花粉症の症状が出ていたのか
戦後の暮らしになってからなのか
はっきりしませんが
今の時期になると
鼻水をクシュクシュさせている人を
多く見かけます。


最近、花粉を出さない品種も出来ているとか。
そういう品種が植えられるようになれば
花粉症の症状も出なくなるのでしょう。


今回の歌は
おおきな杉の木から落ちる杉の花の花粉。
薄黄色の花粉で染められそうな情景を詠っています。



━━━ 今日の詠み歌 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  杉花粉 右に左に 風に揺れ


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